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共生社会実現を映画でアピール

東京・荒川区の金徳哲さん



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川崎市の外国籍住民像を多角的に撮影
4月に完成めざす、1世の足跡も

 【神奈川】「渡り川」や「潤の街」に代表される詩情豊かな作品で知られる在日同胞ドキュメンタリー映画監督、金徳哲さん=東京・荒川区在住=が、川崎を舞台に民族や国籍を超えて共に生きようとする様々な外国籍住民の人物像を題材にした映画づくりに取り組んでいる。

 完成後の映画で大きなウエイトを占めると見られる在日同胞群像では、高齢者サークル「トラヂの会」の集まりにビデオ・カメラを持ち込み、在日1世が20世紀に記した確かな足どりを映像とインタビューで振り返っている。一方で、在日同胞と日本人の高校生による民族文化祭「アリラン祭」の模様も収めた。両者を対照することで「過去」から「未来」へとつながる希望のメッセージを映像に託していきたい考えだ。

 金監督は一昨年末、川崎市外国人市民代表者会議のパーティーに出席したことから多文化多民族共生の問題を考えるようになった。昨年6月には南北共同宣言の実現のニュースに心を動かされ、本格的な撮影に入った。期せずして川崎で実現した大がかりな在日同胞の祭典「ハナ・フェステイバル」では「在日同胞も仲良くしてほしい」という金監督の日ごろからの思いとも重なり、準備段階から当日の盛り上がりまで一部始終をカメラに収めた。金監督は「感銘深いシーンが撮れている」という。

 これからも外国人市民代表者会議に集う様々な国籍をもつメンバーから生活と意見を聞き、4月半ばすぎには完成させたい考えだ。仮タイトルは「21世紀を迎えるかわさき・ピープル」。いずれ劇場公開を実現させたいと意気込んでいる。

 金監督は「日本のなかに外国人市民がいることは日本社会にとってもプラスになり、開かれた共生社会の実現を訴えていきたい。また、20世紀の厳しかった歴史を人生の誇りを失わず、たくましく生きた1世たちの人生、2世・3世たちの前向きな姿を映像に記録することにより在日コリアンに希望のメッセージを伝えたい」と話している。

(2001.02.21 民団新聞)



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