民団新聞 MINDAN
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同胞に奉仕する組織作りを



 十四日に開かれた定期中央委員会で、民団は今年度の活動方針を決定しました。四月には全国の地方本部が地方委員会を行い、中央の方針に沿ってより具体的な活動内容を検討し、地域同胞の生活に根ざした方針を決めることになります。

 当面の最大課題は、言うまでもなく地方参政権の獲得と信用組合の統合を通じた新銀行の設立です。

 昨年の南北首脳会談を機に活発化した総連との交流事業の積極的な継続と、一年後に迫ったサッカーワールドカップ韓日大会の後援事業も本格的に進められることになりました。


■地方参政権獲得と新銀行設立

 就任二年目を迎えた金宰淑団長は、地方参政権の獲得と健全な新銀行の設立を同胞社会の「緊急にして最大の課題」と位置づけ、その解決に全力を挙げることを表明しました。

 地方参政権の獲得運動は、一部保守政治家らの「帰化制度の簡素化」で対応しようとの動きが公然化したことで、立法化への前進が阻まれています。

 これは、地方参政権の要求運動の本質をはぐらかそうとするもので、到底容認できません。逆風が強まっているとは言え、全組織が一体となって早急な立法化に向けた活動が望まれています。

 また、昨年末にかけては予想だにしなかった関西興銀、東京商銀をはじめとして信用組合の破綻が相次ぎ、同胞の経済基盤を大きく揺るがしています。

 同胞企業の経済基盤を安定させるとともに、破綻信組の救済を視野に入れた新たな銀行の設立が早急に望まれています。民団が韓信協、韓商と一体となって作業を進めている新銀行の設立には、全同胞の絶大な支援が欠かせません。

 今年度、私たちは先に挙げた課題を引き続き推進していくと同時に、新しい時代に対応した組織作りと事業を展開していかねばなりません。


■新時代に見合った活動へ

 今年の中央委員会では特に、「二十一世紀に対応した民団作り」へのスタートとして、文化的、教育的分野での取り組みと同胞のネットワーク化を目指した方針が提起されました。

 在日同胞を取り巻く環境は近年大きく変貌しています。日本社会の情報化、国際化は、在日同胞の生活様式や価値観までも大きく変えようとしているのです。

 金宰淑団長は就任以来、「団員の目線」に立った組織活動の重要性を訴え続けてきました。同胞の価値観が多様化する中、民団に対するニーズを的確に把握し速やかに対応する必要があるからです。

 誰もが参加できる「開かれた民団」を作っていくために、民団では現在、在日同胞の優秀な知的力量を各界各層から集めた「二十一世紀委員会」が中心となり、世代交代が進む同胞社会の現状調査と研究に取り組んでいます。

 年に一度の地方委員会は、団員から選ばれた代表者が広範な意見を自由に出し合いながら、中央委員会での決定事項を具体化していく場です。

 中央委員会で決定された方針を踏まえつつ、地方委員会では地域同胞の意見を集約しながら独自性を持った活動方針を真剣に議論してほしいものです。

 二十世紀から積み残された課題を早急に解決し、同胞との絆を確固と維持しつつ、同胞に奉仕する組織作りが期待されているのです。

(2001.03.21 民団新聞)



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