民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
地方参政権獲得と新銀行設立を

第54回定期中央委員会開く



14日に韓国中央会館で開かれた
第54回定期中央委員会

最優先課題に全力
新年度活動方針を承認 総連との交流推進も

 民団の第54回定期中央委員会が14日、東京・南麻布の韓国中央会館で中央委員在籍198人中172人が出席して開かれ、(1)地方参政権の獲得推進(2)民族金融機関の健全育成(3)在日同胞社会の和合と交流の拡大推進(4)2002年サッカーワールドカップ韓日大会後援事業の本格化(5)同胞ネットワークの構築推進――などの新年度活動方針案を採択した。特に民族金融機関問題では、健全な全同胞的な銀行の早期設立へ、在日韓国人信用組合協会(韓信協)、在日韓国商工会議所(韓商)と一体となって全力を尽くすことを再確認した。

 姜永祐議長の定期中央委成立宣言とあいさつに続き、金宰淑・中央団長は、あいさつで「地方参政権の獲得と健全な新銀行の設立を同胞社会の緊急にして最大の課題」と位置づけ、その解決に全力を尽くしていく決意をあらためて明らかにした。金団長は、同胞社会の和合推進と関連し、「朝鮮総連中央がより積極的な対話への姿勢に転換することを強く期待したい」と表明した。

 洪性仁監察委員長のあいさつの後、崔相龍大使は祝辞で日本の歴史教科書問題について憂慮を表明、同時に対話と相互理解増進による解決の重要性を強調した。辛容祥常任顧問は、来賓激励辞で地域住民としての地方参政権獲得の重要性と民族金融機関問題の緊急性を強調し、「歴史的な中央委員会であってほしい」と促した。

 議決機関、執行機関、監察機関、特別委員会(平和統一推進委、権益擁護委、民族教育委)、21世紀委員会の報告は、質疑応答後に承認された。質疑応答では、民族金融機関の健全育成問題に多くの時間が割かれた。

 新年度活動方針案と予算案が上程された後、企画、組織、国際、民生、文教、宣伝の各分科委員会で同案を審議、その結果が本会議で報告された。本会議では、活動方針案と予算案をほぼ原案通り承認した。

 新活動方針は、(1)地方参政権の獲得推進(2)民族金融機関の健全育成(3)在日同胞社会の交流と対話推進(4)2002年ワールドカップ大会後援事業の本格化(5)組織活性化促進(6)同胞ネットワークの構築(7)民族教育、文化活動の重点強化と「オリニジャンボリー」の成功的実現―を柱としている。

 地方参政権獲得については、開会中の第151回通常国会の会期中(6月29日まで)に法案が成立するよう全組織が一体となり全力を尽くす。そのために地方議会に対する要望書採択運動を継続強化すると共に、日本社会の世論化に一層努力する。金団長は「『帰化制度の簡素化』で対応しようとする一部保守的な政治家らの動きは、地方参政権要求運動の本質をはぐらかそうというもので、本団としては到底容認できない」と言明した。

 民族金融機関については、「健全な全同胞的な民族金融機関(銀行)が早急に設立されなければならない」との認識のもとに、韓信強、韓商と一体となり努力する。当面しては、「韓信協会員の現存組合の合併、統合を通じた銀行化努力を支援」しながら、「本国政府指針と歩調を同じくし、資本増強運動も全団的に展開」していく。

 在日同胞社会の交流と対話推進では、「韓半島の平和定着と在日同胞社会の統一促進」のために、同胞社会全般にわたる和合と交流事業を全団的に、かつなにも制限をつけずに推進する。実質的な同胞社会の統一のためには、総連中央と民団中央の対話が不可欠との認識のもとに中央単位の対話の早期実現をめざす。

 このほかに、▽情報技術(IT)を在日同胞社会の有益なコミュニケーション手段として活用し、21世紀にふさわしい同胞社会共同体のためのネットワークづくりへ、今年を「同胞ネットワーク元年」とする▽「文化民団」「教育民団」のための民族教育の強化、民団中央会館の総合文化会館化をめざす――ことなども確認された。


■金宰淑中央団長 W杯後援会会長に

 2002年W杯後援事業は、この事業を通じ在日同胞として韓・日の親善強化に架け橋的な役割を果たし、日本人社会との「共存・共栄」をめざすものであることを再確認した。同時に後援募金は、在日同胞社会の厳しい経済状況を考慮して当初目標の10億円から5億円に下方修正した。

 「二〇〇二年ワールドカップ在日韓国人後援会」は、李煕健会長の辞任に伴い金宰淑中央団長が中央委員の承認を得て就任した。

(2001.03.21 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ