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大阪府の被爆特別手当

帰国後も継続して支給を



在韓被爆者・李在錫さん
太田大阪府知事に要望

 【大阪】祖国解放直後、広島で被爆した李在錫(67)さんが、昨年12月に来日後、府から支給されている被爆者に対する特別手当について、本国に帰国後は支給されなくなるのは不当だとして、このほど太田知事に対し手当の継続などを求める要望書を行った。

 李さんは1946年に帰国、現在は慶尚南道で農業を営んでいる。治療のために何度か来日を繰り返し、96年に厚生大臣から被爆者認定を受けた。顔のケロイドは治ったが、体調不良を訴え昨年12月中旬、松原市の病院に入院。各都道府県から支給される特別手当の受給資格があることを知った李さんは府に申請、1月から約5万円が支給されていた。

 ところがその後、被爆者援護法に基づき手当を支給していた府は「法の効力が及ばない国外の被爆者は受給権が失われる、とする1974年の厚生省通達に基づき、日本を出国した場合は手当は支給できない」と通知した。李さんは今月10日に帰国したが、「被爆者認定されているのに、受給されないのは不当」と府に要望書を提出することにした。

 府庁を訪れ要望書を手渡した代理人の市場淳子さん(韓国の原爆被害者を救援する市民の会代表)は「手当の打ちきりは、法律に明文化されていない。結果的に在韓被爆者を切り捨てることとなりおかしいのでは」と話している。

 手当打ち切り問題を巡っては、別の同胞被爆者が国と府を相手取って訴えを起こし、地裁で係争中。来月13日に判決予定。

(2001.03.21 民団新聞)



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