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4月にオペラ「黄眞伊」公演

伝説の妓生を舞台化



オペラ「黄眞伊」のワンシーン

4月15日から新国立劇場オペラ劇場で

 朝鮮朝中期、時調(歌)や漢詩などで名作を残した女流詩人で妓生だった黄眞伊(1506〜1544)の実話をもとに制作した韓国オペラ団(朴起賢団長)の創作オペラが4月15、16の両日、東京・初台の新国立劇場オペラ劇場で公演される。

 黄眞伊は幼いころから母、陳玄琴によって四書五経や詩、書道などの教育を受けて育った。芸術的才能に富み、詩文と歌舞の世界で自らの精神と芸術世界を高めていく一方で、当代の傑出した宗教家や哲学者、権力者たちと恋愛を謳歌するが、閉鎖的な社会は自由を求め情熱的に生きようとした黄眞伊を悲劇的な最期へ向かわせる。

 黄眞伊は当時、すでに契約結婚を経験、時代を先駆けた女性でもあり、また文学的に高い評価を得ている時調作品は、韓国の中学校の教科書にも収録されている。

 伝説的な人物として語り継がれる黄眞伊の魅力について朴団長は「自分が楽しい時は悲しさについて読み、悲しい時は喜びについて読む、自分の人生を客観的に見つめながら文学に表すことのできた人。深い思想と哲学を持ち、当時の人としては最大限の芸術活動をした女性」だと話す。

 同オペラ制作は90年からスタートし、作品が完成したのは98年。その後1年間の練習期間を経て、99年韓国で初演。昨年8月の北京公演では大成功を収めた。

 今回、演出家に迎えたのは韓国の映画監督・李長鎬さんだ。黄眞伊の苦悩や孤独感、内面の心理状況などを繊細に表現するため、照明や音楽に気をくばったという。同作品は総合芸術として、東洋的な思想を盛り込みながら、韓国的なリズムや歌なども披露される。

 4月15日は午後4時、16日は午後6時半。

 予約・問い合わせは、日本オペラ振興会チケットセンター(03―5466―3181)。

(2001.03.21 民団新聞)



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