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歴史教科書問題特集−1

崔駐日大使を一時帰国へ
韓国政府、日本歴史教科書に抗議



■日本政府に「誠意ある措置」要求

 【ソウル】韓国政府は、さる3日に日本の「新しい歴史教科書をつくる会」の主導・編集による中学歴史教科書が日本文部科学省の検定を通過したことに対し外交通商部スポークスマン声明を通じ「過去の過ちを合理化し、美化する内容が含まれている」と指摘、「深い憂慮」を表明していたが、10日には、日本政府に対する抗議の一環として崔相龍駐日大使を1時帰国させた。任晟準外交通商部次官補は9日の記者懇談会で「政府は日本の歴史教科書波紋と関連、駐日大使を帰国させることにした」と明らかにした。

 任次官補は、崔大使の1時帰国について「日本の教科書検定通過後の動向について報告を受け、政府の指針を伝えるためである」とし、「崔大使は現在の状況に対する具体的な検討が終わり、政府の指示を受ける時まで国内にとどまる」と説明した。

 政府は、3日のスポークスマン声明で(1)検定を通過した一部教科書が依然、自国中心主義的な史観に立脚して過去の過ちを合理化し、美化する内容を含んでいる(2)わい曲された歴史教科書を通じ、日本の若い世代が誤った歴史教育を受けた場合、韓日両国関係の発展を大きく損傷させると表明。日本政府に対し、95年の村山首相「戦後50周年特別談話」と98年の金大中大統領訪日時の「21世紀の新しい韓日パートナーシップ共同宣言」における歴史認識を基本に「歴史わい曲を根本的に防止するための対策」を求めた。

 同時に「今後、関係専門家などを通じて今回の検定結果を綿密に検討し、必要な措置を取っていく」と明らかにした。


■政府、「強い遺憾と憂慮」を表明

 政府は、翌4日には韓昇洙・外交通商部長官が、日本の寺田輝介駐韓大使を呼び、強い遺憾と憂慮を伝え、日本政府の「誠意ある措置」を求める一方、任次官補の主宰で青瓦台(大統領官邸)、国務総理室、教育部、文化部、国政広報処の実務局長級参加による関係部処対策会議を開き段階的な対応方案を協議した。

 崔長官は、寺田大使に「当初のものから相当の部分が修正、補完されたことは評価するが、検定を通過した一部の教科書が依然として自国中心主義的な歴史観に立脚し、過去の過ちを美化した内容を含んでおり非常に遺憾である」と伝えた。同時に「日本政府は検定時に『近隣諸国配慮条項』を考慮し『村山談話』の認識と違いがないと評価したが、これはわれわれの第一次評価と相当に距離がある」と指摘した。

(2001.04.11 民団新聞)



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