民団新聞 MINDAN
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「やはり同胞」喜び共感

民団・総連、各地で合同花見



満開の桜の下、焼き肉を囲みにぎわう
民団・総連大田支部合同の花見

 昨年の6・15南北共同宣言以来、各地方で民団と朝鮮総連の合同行事が相次ぐ中、政治色を抜きにした合同行事にぴったりと、花見シーズンの4月初旬、全国各地方で合同花見が行われた。桜花の下、互いにお酒を酌み交わし、民謡のリズムにつられて踊りだすなどほほえましい交流が行われた。参加した双方の同胞も、在日同胞の和合と交流に喜びを表していた。

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「今後も続けて」の声続々
ひとつになってノレと踊りで交歓

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東京は3地区で

 東京・江戸川での民団と総連両支部による「ウリ同胞コンノリ」は8日、都立篠崎公園で行われ、650人を超す同胞でにぎわった。「6・15南北共同宣言1周年」を一足早く祝うとの趣旨のもと両団体で共同実行委員会を構成、半年余りの周到な話し合いを重ねるなかようやく実現にこぎつけた。

 開会式で民団側の韓在銀実行委員長(民団江戸川支部支団長)は「祖国は統一されていないが、在日同胞は心の中だけでも一つになりましょう」と呼びかけた。これに対して総連側の実行委員長を務めた河秀光・総連江戸川支部委員長も「一つの心で、一つの民族、一つの祖国を」と応じた。

 韓半島旗に囲まれた会場では、ホルモンを焼き、キムチのたくさん詰まった手作りのお弁当を囲む家族連れの姿が目立った。ひとしきりお酒が回ると、参加者はわれ先にステージに立って自慢の喉を披露したり、踊りの輪に加わっていた。

 民団東京・大田支部(梁在星支団長)と総連大田支部(朴昌吉委員長)でも8日、多摩川台公園の運動広場で、民団、総連あわせて700余人の団員や会員らが楽しい1時を過ごした。v  会場には定刻前から多くの同胞らが集まり、早くも将棋に興じる人たちの姿もあった。

 梁支団長は「同胞社会に春が来た。このような行事が一緒にできたことを嬉しく思う」とあいさつ。朴委員長も「民団の方々と同胞として席を共にすることを嬉しく思う」と述べ、両代表が乾杯の音頭を取った。

 会場では婦人会東京大田支部(朴雲子会長)と在日本朝鮮民主女性同盟(康英才委員長)が準備した焼き肉やキムチ、焼きそば、豚汁などがふるまわれ、参加者は美味しそうに舌鼓を打っていた。

 民団系の70歳の男性は「素晴らしいこと。これからも同じ民族が力を合わせていくことを切望する」と語った。総連系の50代の主婦は「感動した。これからも力を合わせてずっと続けていきたい」と述べた。

 民団と総連の東京・北支部(羅基祖支団長、趙一衍委員長)でも7日、管内の都立浮間公園で交流の花見会を開いた。双方あわせて200余人の同胞が集い、民謡やカラオケ、サムルノリなどを楽しみながら花見を楽しんだ。

 羅支団長、趙委員長ともに、「一緒に楽しもう」と同支部管内で初めての合同行事に目を細めていた。韓国と北韓で作られた焼酎を混ぜた「統一酒」で乾杯した後、お酒も入って和やかに交流を繰り広げた。

 民謡が流れ出すと、オモニやアボジに混じって青年までもが踊り出し、雰囲気を盛り上げた。公園を通る日本の市民も足を止めて同胞の交流風景に見入っていた。民団系の同胞は「毎年続けて行くことが肝心だ」と述べ、総連系のオモニも「初めて合同の花見ができた」と喜んでいた。

 初めての交流とあって、まだぎこちなさが残っていたが、羅団長は「一つひとつ積み重ねることで信頼と友好関係を築いていく契機となる」と語っていた。


韓国民謡のリズムに乗って
「オッケチュム」(韓国式踊り)
を楽しむ同胞(東京北支部)

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神奈川、焼き肉で談笑

 【神奈川】民団川崎支部と総連川崎支部共同主催による「6・15共同宣言支持歓迎川崎同胞花見」が好天の8日、「第9回おおひん地区春の祭」会場の桜川交通公園内野球場(川崎区)で行われ、300人ほどが参加、楽しいひとときをすごした。

 ソウ在龍・民団川崎支部団長と李漢沫・総連川崎支部委員長はあいさつで、川崎地区の民団・総連両同胞が共に花見できるようになり大変うれしい、と喜びを表明。参加者は、両支部が共同で準備したビール、ウーロン茶、ジュースなどを手に取り、車栄鎬・在日本朝鮮人川崎商工会会長の音頭で一斉に「祝杯」した。

 肉を焼く煙があちこちからあがり、談笑の輪が広がった。ノレチャラン(のど自慢)にあわせ、自然に踊り出すハルモニたち。また、久しぶりの再会に思いっきり抱き合うひとびとも。呉炳国・民団川崎支部議長は閉会のあいさつで「今後もこのような共同行事ができるようにしたい」と述べた。


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奈良、韓国民謡で交流

 【奈良】民団奈良県本部(金吉龍団長)と総連奈良県本部(朴勉委員長)による「ワンコリア・コンノリ」は8日、県浄化センター公園自由広場に双方から300人が集って行われた。

 両県本部の交流は昨年10月、橿原市で初の懇親会をもって以来これが2回目。参加同胞の中には初めて実現した合同の花見に感激、「こんな日が来るとは思ってもいなかった。今日の桜は最高に美しい」と涙ぐむ姿も見られた。

 宴もたけなわになると会場にはチャンゴとケンガリの音が鳴り響き、マイクを手に仲良く韓国民謡を歌い踊る同胞の姿が見られた。 婦人会奈良県本部の朴花子会長は「感無量です。これからも続けて行われることを願ってやみません」と話していた。

 また、女性同盟奈良県本部の金尚伊会長も「同じ民族、気分がいいです。これからも継続してほしい」と語っていた。

 最後に参加者全員で「我らの願いは統一」を合唱、来年の再会を誓った。


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滋賀も500人

 【滋賀】民団滋賀県本部(安相鳳団長)と朝鮮総連滋賀本部(高元允委員長)が共催する「6・15共同宣言を支持するジ賀県下同胞野遊会」が8日、大津市皇子ケ丘公園で開かれ、地元同胞約500人が参加した。これは、両本部が昨年夏、都道府県レベルとして全国に先がけて実施した組織幹部交流親睦会の成功を機に今春の野遊会も合同で行おうと企画した。

 高委員長が「私たち在日が自信を持って堂々と生きていくためにも、民族の統一が早く実現しなければ」と呼びかけ、安団長も「祖国の平和統一、在日和合の進展と生活環向上のために全同胞が手を結ぼう」と述べ、乾杯の音頭をとった。

 舞台では、地元朝鮮中学の生徒らによるサムルノリや、婦人会滋賀県本部(朴茂順会長)と朝鮮婦人同盟(鄭淳子委員長)合同のコーラスが披露され、南北統一の歌「ウリエソウォン」、「故郷の春」を合唱。朴会長は「初めて同じ舞台で歌うのに、全然違和感が無いのはやはり同じ民族のあかし」と喜んだ。

 朴善岳さん(草津市在住)は「あせらず一歩一歩進みながら、総連の人に韓国の良さをもっと知ってもらいたい」と思いを語った。


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福岡、全世代が笑顔で

 【福岡】福岡では民団久留米支部(楊鍾徳支団長)と民団大牟田支部(禹判根支団長)、総連筑後支部(李周成委員長)の3団体が4日、久留米市の三本松公園で「合同花見」を行った。3支部とも団体として正式な交流を行ったのはこれが初めて。80代の一世から乳児まで世代を越えて150人でにぎわった。

 満開の桜の下、参加者は双方の婦人会メンバーが準備した家庭料理を味わい、チマ・チョゴリで盛装した女性の歌う韓国メロディーに合わせて踊りに興じた。熊本県荒尾市から参加した一世ハルモニ(78)の一人は「昔はこんなことできなかった。同じ民族は一つであってほしい」と笑顔を見せていた。

(2001.04.11 民団新聞)



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