民団新聞 MINDAN
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民族学校4校の児童・生徒数増加

金剛小は10年で2倍に



今年度の金剛学園入学式から

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改革の努力、静かに浸透

 韓国系民族学校4校の生徒数が1999年以降、着実な増加傾向を見せている。金剛学園小学校は李大燦校長の就任以来、82人から165人と10年間で約2倍の伸び。京都韓国学園も1時存続の危ぶまれていた高等科が完全に息を吹き返した。このほか、東京韓国学園、白頭学院でも永住・定住の在日同胞生徒数が増えつつある。学校側の内実化努力が在日同胞社会に少しずつ浸透しつつあるようだ。

 金剛学園は今年度、在籍生徒数は小・中・高校合わせて267人。なかでも小学校は96年度、白頭学院の約半数にしか過ぎなかったが、今年度はついに逆転した。

 一方、白頭学院は今年度、全体で389人と前年度とほぼ変わらないが、在日同胞生徒数に限ると99年度からわずかながら上向き。これは両校教員の積極的な学校改革姿勢の現れといえそうだ。

 白頭学院では在日同胞子弟の進学教育と民族教育の両立を図ろうと「韓国文化特別コース」と「特別進学コース」を設けてきたが、今年度から新たに「4時からセミナー」と題した趣味の講座も新設した。

 また、金剛学園でも、韓国語をはじめとする民族文化教育の充実ぶりと、児童へのきめの細かい指導が父母の高い評価を得ている。教師全員が毎朝、始業の前十分間、韓国語の勉強を続けているのも金剛ならではの習慣といえよう。

 京都韓国学園では99年度から高等科に「特進コース」と「コンピューターコース」を設けた。硬式野球部の高野連加盟で全国的に注目されるようになっただけに進学・就職の面でも確かな実績を上げ、3年後には全校生徒300人規模の学校にすることを目標としている。

 東京韓国学園は昨年秋、「一流学校を志向する」という学校運営改革方案を発表、理事会でも承認を受けている。柱となっているのは英語、韓国語などの語学教育の充実・強化による大学進学率のアップ。永住・定住資格をもつ在日同胞生徒数自体は97年から上昇傾向にあるだけに、この流れを確かなものにしようと、金龍満校長自ら先頭に立ち、民団支部を回りながら学校改革をアピールしている。

 4校ともこの間の内実化努力が実を結ぶにはあと数年はかかると見られるが、少なくともその端緒だけは生徒数の増加ぶりに表れているといえる。これからも本来の民族教育ばかりか語学、コンピューター、クラブ活動といった面で学校の特色をさらに鮮明に打ち出すことが求められている。

(2001.04.18 民団新聞)



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