民団新聞 MINDAN
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次期国会で必ず実現を!

全国4000人の同胞が結集



「地方参政権の早期実現を」と
要望を声高らかに訴える
4000人の在日同胞ら
(6/5日比谷野外音楽堂で)

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民団が初の大衆集会
国会請願と都心をデモ行進

 民団が主催する「永住外国人に地方選挙権を!6・5決起大会」が5日、東京・日比谷野外音楽堂に全国からかけつけた民団の団員や参政権運動に賛同する日本の市民団体など、4000余人が集まり開かれた。第一部の集会では、地方選挙権法案が一度も審議されずに5月29日に「継続審議」になったことに強く抗議し、次期国会で速やかに法案成立を求める決議文を満場一致で採択した。集会後、代表団が衆議院、参議院の面会所で決議文を伝達したほか、デモ隊が都心を行進しながら、「選挙権を早期立法化しろ!」とシュプレヒコールを繰り返し、法案成立に理解を求めるアピールを繰り広げた。

 4000人規模の抗議集会は、青年会有志が打ち鳴らすサムルノリの「打楽」で幕を開けた。 民団が参政権をテーマに大衆集会を開くのは初めてで、5月11日の全国団長会議で開催を決定して以来、1カ月もない準備期間にもかかわらず、これほどの動員を達成したことで民団の存在とその底力を内外に示した。全国から結集した同胞は、政党間の党利党略によって3度も継続審議という「先送り」に抗議の意志を表明した。

 地方参政権獲得を民団組織で推進していくことを提唱し、6年前から運動のリーダーとして闘ってきた辛容祥・地方参政権特別委員長は「なぜ、日本政府は私たちの思いを継続審議で踏みにじり、『帰化』法案でつぶそうとするのか」と憤り、「今こそ地方参政権にかける在日同胞の不退転の決意を内外に示そう」と開会を宣言した。

 続いて主催者を代表し、金宰淑団長が「今国会での成立期待が裏切られた。これは法案の廃案を画策した無理解と偏見に満ちた勢力の策動によるものだ」と断じた。すると、同胞らの怒りがこれに呼応し、会場内が緊張感に包まれた。

 金団長は「次期国会で必ずや法案が成立するよう、各政党の真摯な取り組みと立法化への確約を強く要求する。地方参政権を勝ち取るその日まで、力を合わせ、共に闘おう」と訴えた。日本の6政党の議員は、民団の決意表明に激励辞で応えた。その後、洪性仁監察委員長が、「最高裁判決と地方議会の意見書採択を尊重し、住民権の保障を」と求める5項目の大会決議文を朗読し、姜永祐議長が4000人の総意でこれを採択した。

 閉会辞では東京本部の許孟道団長が「私たちの諸権利は、指紋押捺制度の撤廃をはじめ、私たちが声をあげたからこそ獲得できた。正義の闘いは必ずや勝利することを確信する」と大会の成功を高らかに宣言した。

 第一部の集会の締めくくりは、大阪府本部の金昌植団長が先導するシュプレヒコール。「選挙権を早期立法化しろ!」と、街頭デモに繰り出す同胞を勇気づけた。

 中央3機関長をはじめ地方本部団長、傘下団体長らで構成する代表団は衆議院、参議院の面会所で出迎えた各政党の議員に決議文を伝達。秋の国会で必ず法案が成立するよう念押しした。

 一方、12隊列のデモ隊は、参政権に反対する議員が多い自民党本部前で、一段と声高くシュプレヒコールを繰り返した。各地から集まった同胞は、この日の意思統一と行動統一によってねばり強い闘いの手応えを感じた様子だった。

(2001.06.06 民団新聞)



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