民団新聞 MINDAN
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保護者ネットワークをめざし




 21世紀の主人公たちへの期待を込めて開催されたオリニ・ソウル・ジャンボリーから1カ月。参加したオリニたちは祖国と民族、そして友とのふれあいの思い出を大切にしようと各地で集いを計画しています。


■ジャンボリーに寄せられる期待

 オリニジャンボリーは、運営にあたる組織幹部とボランティアとして参加したリーダー、そして保護者に多くの教訓を残しました。

 オリニは同胞の友達とともに祖国で思い切り開放感に浸っていたという事実です。一緒に参加した保護者より、友を求める姿や本国のオリニと言葉を超えて接している姿は感動的でもありました。特に自分たちを歓迎してくれる場で見せてくれたオリニのマナーは立派でした。さらに引っ込み思案がちと思われていた在日のオリニたちが見せた積極性は、保護者だけでなくオリニ・リーダーに大きなインパクトを与えました。

 オリニ達の健やかな成長は保護者の願いですが、21世紀の豊かな在日同胞社会の構築をめざす本団にとっても重要な課題です。改めて、オリニたちが自分たちのグランドを痛切に求めていることを保護者とともに受けとめたいと思います。

 ジャンボリーに参加したオリニと保護者の交流会が1回で終わらず、定期的に持たれることが望ましいことは言うまでもありません。土曜学校や子ども会へと繋げて行ければ幸いですが、ない場合は当該民団として前向きに検討されるべきでしょう。後継者育成事業として本腰を入れるべき事業がオリニの成長に関してであり、保護者との関わりです。特に保護者との取り組みは大きな効果を生み出します。


■保護者に寄せられる新たな息吹

 まず、日本の公教育の場にオリニを委ねている立場から、在日韓国人に対する学校、地域、保護者の理解を求めて行く必要があります。6年目に入っている国連人権教育10カ年計画がめざす差別事例の解決は、私たちの願いでもあります。近畿地方をはじめ一部の自治体で採択されている「在日外国人の教育指針」の制定において保護者の存在は大きな意味を持つのです。

 また、保護者の声が決定的に影響したのが中学歴史教科書の採択をめぐって「子ども達にこの教科書は使わせたくない」とする声でした。今年の教科書問題を引き起こしたいわゆる「新しい歴史教科書をつくる会」は新たな挑戦を明らかにしています。彼らの挑戦を退けるためにも日本市民との連携と同時に在日保護者の声が必要なのです。

 ゆるやかな保護者のネットワークに寄せられる期待は少なくありません。各地で持たれるオリニと保護者の交流会が、オリニの健やかな成長をめざす保護者のネットワークの契機となることを期待します。


(2001.09.19 民団新聞)



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