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歴史認識共有へ連帯
韓中日の市民ネット構築へ

「アジアネット」が発足



歴史教育アジアネットワーク・ジャパンの発足式

 「つくる会」の中学歴史教科書(扶桑社版)不採択運動に取り組んできた日本の複数の市民団体が13日、都内で「歴史教育アジアネットワーク・ジャパン」を発足させた。今後、韓国、中国などでも同様の組織づくりを働きかけ、市民運動の連携で東アジア共通の歴史認識が持てるよう努力していくことにしている。

 「歴史教育アジアネットワーク」の結成は、「アジア連帯緊急会議」で行動計画の一つとして採択されていた。6月に都内で開かれた同会議には韓国、中国、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシアの6カ国・地域から代表が参加、「つくる会の歴史教科書」の不採択に向けた取り組みについて話し合った。

 このほか中・長期的な課題としてアジア各国で共通の歴史認識をつくる運動も提起されたが、その具体的な中身については「アジアネット」で詰めていくこととしていた。

 「アジアネット・ジャパン」は、「平和を実現するキリスト者ネット」など関係4団体が呼びかけた。13日の発足集会には女性、教育、人権、「慰安婦」、「在日」などの様々な問題に取り組む各団体から50人余りが参加した。

 呼びかけ団体の一つでもある「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文事務局長は、この間の「つくる会」教科書に対する不採用運動を振り返りながら、「圧倒的な勝利ではなかった。僅差の勝利であり、4年後はわからない。4年後も見据えてまず日本でアジアネットワークを発足させる」と宣言した。

 「アジアネット」としては、アジアの市民団体と情報を分かち合いながら連携をさらに深め、東アジア共通の歴史副読本づくり、「つくる会」に協賛している企業への公開質問状などの共同行動に取り組んでいきたい考えだ。当面は韓国、中国などの関係諸国でも「アジアネット」の結成を働きかけていく。

 「つくる会」では新たに小学校の国語と社会科教科書を執筆、03年4月の検定に提出するといわれている。また、4年後には再度、中学歴史教科書の採択を目指す計画だという。


(2001.09.19 民団新聞)



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