民団新聞 MINDAN
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在日子弟の民族教育考

オリニ・J保護者フォーラム



在日子弟の民族教育を討論した
保護者フォーラム

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父母らの語り合いの場を
自覚育むオリニ企画が必要

 在日同胞オリニに母国を体感してもらいながら民族教育と交流を深めるという、新たな取り組みとして開催されたオリニ・ジャンボリーは、参加した保護者にとっても在日のオリニたちの健やかな成長を願う新たな取り組みの出発点となったようだ。

 日本各地から集った日の翌日(24日)、オリニたちが「チングになろう―ソウル探訪」企画に出発した時間を使って、宿所のパインリゾートのフォーラム会場で保護者フォーラムが開催された。

 権丙鉉在外同胞財団理事長が来賓として出席する中、金宰淑中央団長はメッセージを通じて、21世紀を担うオリニたちと共に参加した保護者の熱意に感謝しながら「オリニたちの健やかな成長をめざして、新たな民団の在り方を研究している。有意義なフォーラムとなるよう共に学びながら頑張ろう」と保護者を激励した。

 権財団理事長も、ジャンボリーと保護者フォーラムに趣旨に賛意を示し、忙しい時間を割いて会場に駆けつけ、民族教育の意義とその必要性を熱っぽく訴えた。

 フォーラムは、在日同胞子弟の多くが日本の公立学校に通う現実の中でオリニの健やかな成長にとって欠かせない民族教育にいかに取り組むか学校教育の現場にいかに関わっていくか―をめざして持たれた。

 基調講演とし「在日韓国人の可能性」について民団中央本部の鄭夢周文教局長が、続いて特別講師として招いた、泉妻(いづのめ)輝夫前横浜市立樽町中学校校長が「公教育における保護者の役割と課題」について具体的に述べた。

 今年4月まで中学校校長職にあった泉妻氏は、子弟の教育に悩む保護者に対して、「聞く姿勢を大切にして欲しい」とのメッセージを伝えた。そして学校への関わり方について、教師生活を振り返りながらの体験談に、改めてオリニたちの成長を願う保護者は「何ができるのかを考えさせられた」と感想を述べていた。

 さらに、金昌敏青年会中央会長から、青年会で取り組んでいる「歴史を伝える運動」について報告を受けた後、3班に分かれて家庭内において民族教育の在り方と保護者の役割について、語り合った。

 各班からの報告では「在日同胞社会が20世紀に果たしてきた役割と、そして21世紀の課題を学ぶことができた」という声が聞かれた。また、「保護者同士が語り合う場が必要だ」「今回、子ども(孫)と参加できてよかった」「このような企画をもっと持って欲しい」「オリニたちの生き生きとした顔がまぶしい」「民族的自覚を育む上でもっともよい事業だ」と異口同音の評価が出された。


(2001.09.19 民団新聞)



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