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日本へ流出の朝鮮朝の国宝級絵画

「瀟湘八景図」韓国へ戻る



「瀟湘八景図」

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神戸の在日同胞・金龍斗氏
中央博物館に寄贈

 日本に持ち出されていた朝鮮朝時代16世紀の国宝級の名品絵画「瀟湘八景図」がこのほど韓国へ戻ることになった。

 神戸市に住んでいる在日同胞事業家の金龍斗氏(77、天理開発会長)は最近、日本で国立中央博物館の関係者と会い、自分が所蔵している「瀟湘八景図」を韓国国立中央博物館に寄贈することで合意した。

 「瀟湘八景圖」は、中国湖南省の瀟水と湘江が合流する洞庭湖周辺の美しい風景を8面に分けて描いた絵画で、朝鮮朝時代の代表的絵画ジャンルの一つ。

 紙に水墨で描いてあったこの絵画の作者が誰だか知られていないが、「山市晴嵐」(春季の朝の風景)、「煙寺暮鐘」(煙に包まれ、夕方の鐘の音が鳴り響く山寺の風景)、「江天暮雪」(冬の夕方、雪降る川と空の風景)など91×47・7a大の絵画8幅でなっているこの作品は、名品と評価されている。

 作品を鑑定した専門家は「墨の濃淡に季節の移り変わりがよく表現されていて、構図も優れている国内最高水準の「瀟湘八景図」と評価した。今は掛け軸の形を取っているが、元は屏風であったという。

 時価50億ウォン相当のこの絵画は、国公立博物館に寄贈された文化財のうち価格面での最高水準となる。

 関係者によると、現在、国内には安堅(アン・ギョン)が描いたとされている「瀟湘八景図」があるものの、この絵画は作品性や規模の面ではるかに優れた大作だ。

 中央博物館は、11月に作品を国内に持ち込んだ後、金会長の故郷の慶尚南道沙川から近い国立晋州博物館で展示する計画だ。

 金会長は8歳の時、父親とともに渡日。鉄工場事業で成功するかたわら、日本内の代表的な韓国文化財コレクターで、今まで約1000点を収集し、1997年と去年にも170点あまりを中央博物館に寄贈している。

(2001.10.03 民団新聞)



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