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SOS 生活者の目で支援

「まちなかホッとライン」開設



川崎桜本商店街に開設した
「まちなかホッとライン」の事務所

川崎の青丘社、介護保険外にも対応

 【神奈川】在日同胞の集住地区、川崎市南部で「(誰もが)地域で共に生きる」取り組みを進めている社会福祉法人青丘社(李仁夏理事長、川崎市桜本)が1日、地元にホームヘルパー派遣とケアプランづくりの介護保険事業所を開設した。在日同胞1世や障害者・児など介護保険制度では支えきれない社会的弱者をの視点で支える駆け込み寺≠目指している。

 同事業所は桜本商店街の真ん中にある。名称は「おおひん地区まちなかホッとライン」。高齢者も障害者も安心して暮らせるようサポートするとの趣旨に賛同した商店主が、青丘社のほか地域で障害者のための支援活動をしているNPO法人サポートセンター「あおぞらの街」、障害児父母の会「おおひん虹の会」の3者に無償で貸与した。

 青丘社では同事業所を拠点に、「介護のためいますぐ手助けが欲しい」といった緊急な事例や、「近くの病院までの送迎を」といった現行の介護保険制度では公的サービスからもれてしまう生活課題にも対応している。もう一つ、お年寄りが病院や買い物帰りにヘルパーとほっと一息入れてお茶を飲みひとときを過ごせる場を目指している。

 常駐スタッフはケアマネージャ―の湯浅利啓さんと、ヘルパーでサービス提供責任者の在日同胞、姜玲玉さんの2人体制。ヘルパーは現在、18人が登録しており、50人の在宅介護を目指している。

 湯浅さんは「採算ベースに乗せるためには将来的に現在の倍はヘルパーが必要」という。青丘社では「韓国・朝鮮人専用の施設ではない。日本人も利用して欲しい」と呼びかけている。

 青丘社は88年、川崎市から委託を受けて「ふれあい館」を桜本にオープンして以来、障害者と高齢者に対する支援事業を課題としてきた。高齢者プログラムとしてはまず識字学級からスタートした。98年からは桜本小学校付属桜本幼稚園の旧園舎を利用、在日同胞1世に食事、健康回復、余暇活動の場を提供するミニ・デイサービス事業を展開してきた。現在、登録会員は120人。


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青丘社のミニデイサービス川崎市がサポート

 川崎市は青丘社が3年余りにわたって築いた在日1世の高齢者支援プロジェクトの実績を認め、今年度から本格的にサポートしていく体制を敷いた。9月27日には旧桜本幼稚園園舎の改装工事が完了、「おおひん地区まちなか高齢者交流センター」として関係者にお披露目された。

 内部にはプレハブながら風呂場が設置された。毎週火曜日の午後、時間帯を決めて地域のお年寄りを対象に「見守り入浴サービス」を実施していく。また、足腰の弱っているお年寄りのため、手すりとトイレのバリアフリーが完成した。来年度からは数人の看護婦が常駐する見込み。

 これまで青丘社が行ってきた在日1世のためのミニ・デイサービスなどの自主活動を支援するほか、新たに地域の町内会、婦人会、ボランティア団体などによる高齢者支援活動に対しても援助していく。運営は川崎市ふれあい館(「重度館長)が委託を受けた。

(2001.10.03 民団新聞)



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