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韓半島の平和定着にも寄与

金宰淑日本地域協議会会長開会辞



金宰淑協議会長

全国団長会議で方針確認

 昨年行われたあの金大中大統領と金正日国防委員長の歴史的な首脳会談を、私たち全ての在日同胞は大きな感動で受け止め、かつてないほどの祖国統一への熱い期待を込めて注視しました。

 分断史上初めての首脳同士の会談によって、長く反目と怨念によって途絶えていた同族の情愛を呼び覚まし、わが民族の歴史に和解と協力の新たな一章が切り開かれるものと期待したからに他なりません。

 私は首脳会談を契機に朝鮮総連に対し、同胞社会の現実的な問題の解決と将来の同胞社会の統一問題を話し合うため無条件かつ虚心坦懐に対話しようと呼びかけました。

 それは、分断祖国55年の歴史とともに分裂と対立を繰り返してきた在日同胞社会も今や、和合と統一に向けて大胆に一歩を踏み出すときが来たとの確信からでありました。

 昨年、韓国民団と朝鮮総連との対話・交流はかつてない規模で実施されました。ともに花見や野遊会を楽しみ、敬老会ではともに一世同胞のご苦労を慰め、また強制連行の犠牲者をともに慰霊し、自治体に対しては同胞の権益擁護のための要望をともに行いもしました。

 民団中央は昨年、総連中央に対し対話と交流を促す提議を繰り返し行いました。しかし残念ながら、総連中央からは未だに積極的な反応を得られていません。

 総連中央が一日も早く対話に応じるよう望みつつ、民団としては引き続き総連との交流推進に努力していくものであります。諮問委員皆さんの積極的な参与を期待するものであります。

 日本地域協議会ではこの間、政府の統一政策を側面的に支援する立場から独自の活動を行って参りました。特に強調したいのは民主平統が行った「福祉基金」創設に対する支援と、南北統一の夢を繋ぐ京義線復旧工事への支援であります。

 祖国統一後に北韓同胞が直面すると予想される困難な事態に備えるべく創設された福祉基金には、多くの諮問委員が進んで誠金を拠出されました。また、先頃51年ぶりに?山から臨津江まで運転が開始された京義線の復旧工事には、諮問委員の皆さんをはじめ幅広い同胞の皆さんから誠金が寄せられました。

 私は在日同胞社会の交流推進と同時に、本国での統一政策推進に関しても大いに寄与していくことが、今の私たち民主平統諮問委員に課せられた現実的使命であると認識しています。

 政府が進める太陽政策の基本は、南北間に平和を定着させ交流と協力を通じて平和統一を図ろうとするものであります。この目標に向かい国内は言うに及ばず海外に居住する私たちを含む全ての同胞が力量を結集しなければなりません。

 南北関係は今、過去の対立を克服し和解協力への歩みを確実なものにできるかどうかの画期的な転換期を迎えていると言えるでしょう。

 祖国の平和統一を成し遂げ、世界の先進国家への隊列に加われるかどうかの分水嶺に立っていると言っても過言ではないでしょう。

 私たち第10期諮問委員に与えられた歴史的使命を深く認識し、在日同胞社会の交流を推進すると同時に、政府の統一政策を積極的に支援していくことを当面の課題として、その達成のために邁進していこうではありませんか。

(2001.10.17 民団新聞)



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