民団新聞 MINDAN
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語り継ぐ「耳塚」の由来



児童を前に差別のない
平和な地球をつくろうと
訴える婦人会京都の役員

婦人会京都・人権と平和を訴え無料ガイド5年に
年間3000人の児童に説明

 【京都】「おばあちゃんのお話を聞いてください」。ここは東山市方向寺の一角。「耳塚」を背に、婦人会京都府本部の李愛子会長が中心となり、日本の子どもたちに「壬辰倭乱」と「耳塚」の関わりについてパンフレットを配りながらガイドボランティアを努めている。

 ガイドは5年前から始めた。歴史的な由来を語りながら、さりげなく差別や争いのない平和な地球、地域の外国籍住民との共生社会形成を願うメッセ―ジを託している。口コミで評判が伝わり、ガイドの要請が増えた。

 近年は平和教育、人権教育の一環として見学に訪れる児童が多い。広島県内の小学校では平和教育の一環として修学旅行の見学コースに組み込んでいる。春と秋のシ―ズンともなれば、毎日のように「耳塚」の前に立つことも珍しくない。婦人会の活動記録によればこの間、年間3000人近い児童を案内してきたという。

 ガイドを終えると、同婦人会に子どもたちからのお礼の手紙や感想文が届く。内容は「分かりやすい説明でした。これから友好関係を築いていきます」「争いのない平和な世界、いろんなことが知ることができました。カムサハムニダ」といったものが多い。李愛子会長は「子どもたちの手紙はかわいらしくて素直。手作りのしおりも入れてくれる。やっぱり続けてきてよかった」と話す。

 京都市内の清水四郎さん(87)はボランティアで「耳塚」の清掃に関わり、この間の婦人会の地道な活動を見つめ続けてきた。清水さんは「婦人会の人はいい教育をしておられる。雨の日も暑い日も要請があると駆けつけてのガイド、子供たちに大きな布石になる」と感想を語っていた。

(2001.10.17 民団新聞)



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