民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
同胞の老人ホーム

「セットンの家」が5周年
一世たちの願い満たして



各界協力者に感謝状を
手渡す朴理事長

■□
ウリマル、韓国料理で気兼ねない余生を提供

50部屋満室、入居希望者も待ち状態
新ホーム建設に意欲

 【大阪】社会福祉法人シャローム・ケアハウス「セットンの家」(朴善喜理事長)の開園5周年を祝う記念式典が10日、大阪府堺市にある同園で開かれた。「女性の力では老人ホームの建設は無理」などといった風評が飛び交う中、朴理事長ほか多くのスタッフの努力により幾多の難関を乗り越え、今では50の部屋は満室で、入居希望者が多数待機するほどまでになった。

 式典には各界の来賓300余人が参席し、開園5周年を祝った。同法人の権玉華副理事長が経過報告を述べたあと、朴理事長から平山浩造氏、平田政雄氏、金智重氏ら5人と4団体に感謝牌が、また、民団中央本部(金宰淑団長)ら4団体と全奎長氏、河炳旭氏ら12人に感謝状が贈呈された。

 鄭起鍾駐大阪領事のあいさつに続き、民団中央本部の具文浩副団長が「過酷な差別と偏見の中、1世世代は様々な困難に耐えてきた。年老いた今、ウリマルや韓国料理に囲まれ、周りに気兼ねなく余生を過ごしたいと願っている心をいち早く察知された、その心温まる先見の明に敬意を表したい」と金宰淑同本部団長の祝辞を代読した。多くの来賓あいさつや祝電披露のあと、朴理事長は「女性が陣痛の叫びをあげると生命が誕生するがごとく、奇跡を起こしたのです。これも各個人、教会、団体皆さまのご支援によるものです」と周囲の協力に深く感謝した。

 祝賀会では、同法人の西村義博評議員が乾杯の音頭をとり、スタッフを含め来賓、理事らは懇談した。

 同園の課題は、もう一つ老人ホームの建設が急がれることで、今年9月には建設発起人会が結成された。金安弘牧師(同法人評議員)は「ここにいるお年寄りたちが年をとり、寝たきりになった時、その方々を受け入れられる場所が必要になる」と建設支援を広く同胞社会に訴えていきたいとしている。

 在日大韓基督教全国教会女性連合会が1955年10月の第7回定期大会で老人ホーム建設を決議して以来、40年の時を経て95年6月6日、社会福祉法人認可の内示を受け、96年7月1日に開園した。建設理念も、在日同胞のためだけでなく「キムチとたくあん」が食べられ、韓日高齢者が共に生きる多文化共生のケアハウスへと発展し、共生と調和を象徴する虹の7色を示す「セットンの家」と名づけ今日に至った。セットンの家は、比較的健康で自力で日常生活が営めるお年寄りを対象にした老人ホームで、利用定員は50名。問い合わせ先は、電話0722(72)8338。

(2001.11.14 民団新聞)



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