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21世紀委員会の中間提言・検証へ




 21世紀の在日同胞のライフ・スタイルと民団の可能性、そして民族教育再生5カ年計画と在日文化づくりという在日同胞社会の内実化をめざす中間提言を中心に「第2回未来フォーラム」が開催されました。9月の「国籍の意味と同胞組織の将来像」の検証をめざした第1回につづいて、活発な意見が交わされました。


◆在日同胞の内なる魅力を

 今回も、3・4世時代の到来とともに在日同胞の民族的絆が大きく搖らいでいるとの厳しい認識の上に立ちました。その一方で日本社会の国際化による変化が私たちの姿勢次第で明るい展望が描けることも提示されました。

 在日同胞の新しいライフ・スタイルと同胞共同体としての民団の在り方を模索してきた「くらし部会」と民族教育と在日独自の文化活動の可能性と展望を模索してきた「人づくり部会」の提言は、相互に補完しつつ具体的な事業として提起されました。今後ますます地域住民として地域社会とのかかわりが求められるライフ・スタイルの中で、民族的アイデンティティの確立と民族名の使用を具体的に進めていくことに意見が集中しました。民族名と家族史、そして言語の再生を柱にした民族教育再生5カ年計画の提言と在日文化の定義づけへの試み、映像による在日史、文化賞の設定と「在日100年フェスティバル」というイベント企画は私たちの内なる魅力を示していて楽しい。かつての排除と同化政策から多民族・多文化共生社会へと向かう日本社会はフォーラムの具体的提言の可能性を示し、豊かな同胞社会のイメージが膨らみます。


◆すでに推進されている提言

 昨年から取り組まれた21世紀委員会の提言は中央執行委員会、中央委員会を通して方針として具体化されています。今年の初めに提出された基盤づくり部会の銀行化提案は、信用組合の相次ぐ破綻という緊急事態に対応したもので、その方向性を明示しました。くらし部会から出版しました「在日外国人の人口動態」は内外から貴重な資料として高い評価を受けました。また、地域社会に開かれた会館運用をめざし、文化民団としての施設を整えるべく、中央委員会の決議を経て、中央本部会館の一部改修に取り組んでいます。さらにIT部会から、新たな同胞社会のネットワ―クの構築に不可欠なIT化に向けての提言を受け、まず中央の設置を完了し任職員の技能習得をすすめています。

 このように可能なものから一つひとつ取り入れ、21世紀の同胞社会へ備えています。各界の識者によって構成された「基盤」「組織」「くらし」「人・文化」「ポスト地方参政権」「IT」の6部会は、さらなる研究とフォーラムなどを通じて幅広い意見の収れんを並行しながら、来年の後半期の総合提言に熱く期待したいと思います。

(2001.12.05 民団新聞)



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