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W杯、中国から6万〜10万人韓国へ

韓国推定1億jの観光特需期待



 11月28日に釜山で開かれた国際サッカー連盟(FIFA)の2002年韓日ワールドカップ(W杯)組織委員会会議では、12月1日実施の組み分け抽選方式などを確定し、出場32チームが4チームずつの8組に分かれて行う1次リーグでは、初出場の中国が韓国会場で3試合行うことも決まった。

 FIFAのルフィネン事務総長は会議後の記者会見で、「経済的、地理的な利点がある場合、抽選とは別に試合場所を決定することができるというFIFA規定に基づき、組織委員全員の一致で中国が韓国で試合を行うことが決定された」と明らかにした。

 鄭夢準韓国サッカー協会会長兼FIFA副会長はW杯組織委員会の記者会見終了後、記者団に「先に中国サッカー協会から提案があり、FIFAの執行委員たちも韓・中・日の地理的、経済的要因を考慮し、満場一致で同意した」と説明した。

 鄭会長は「中国と韓国は陸路でつながっているし、中国のサッカーファンを歓迎したい。中国政府が陸路利用の問題を北韓と協議すれば、W杯期間中、大勢の中国のファンが鉄道や車を利用して韓国を訪問できる」と指摘。「数万人の中国ファンが飛行機や船だけで日本に行くのは不可能」と付け加えた。岡野俊一郎日本サッカー協会会長も「中国の立場は理解しているので、中国が韓国で試合をすることに私も全面的に賛成した」と述べた。中国のサッカー週刊誌『足球』の記者は「中国のファンみんなが金持ちなわけじゃない。日本の物価で1カ月間サッカー観戦できる人は多くない」と語った。

 中国が1次リーグ3試合を韓国で行うことになったことから、韓国の関連業界では大会期間中、約6万から10万に達する中国人観光客が韓国を訪れ、およそ1億jの中国特需が発生するものと期待している。

 「人民日報」ソウル特派員の王林昌支局長は、中国チームが韓国で試合することの利点として▽地理的な近さ▽相対的な物価の安さ▽両国民の互いへの好感などをあげ、「韓国を訪問するようになる中国サッカーファンの数は、少なくとも4万、多ければ10万という多様な推算が出ている。正確な数字は分からなくても、数万人規模であることは確かだ」と述べた。

 なお、昨年入国した中国人観光客は計44万2000人。

(2001.12.05 民団新聞)



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