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第2回未来フォーラム

くらし、人・文化テーマに
民族教育再生など政策を提言



2日に神戸で開かれた
「第2回未来フォーラム」

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民族教育再生など政策を提言

 【兵庫】在日同胞21世紀委員会(金敬得代表)主催の「第2回未来フォーラム」が2日、神戸市の県民会館・パルテホールで地元をはじめ大阪、京都など近畿地区同胞、日本人市民、教師ら120余人が参加して開かれた。国籍の意味、既成組織の将来像などを討議した前回のフォーラム(9月・東京)に続いて2回目。今回のテーマは、生活に密着した「在日のくらしと人・文化」で、3つの基調報告を通じ具体的な政策提言が行われた。また民族学校の現状などについても意見が集中した。


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歴史ドキュメント「在日100年物語」制作提案も

 主催者を代表して金代表は「21世紀に向け、同胞社会および既成の組織はどうあるべきか、新しい組織はどうつくられるべきか、また民族学校の方向性についてもきたんのない意見を交換しよう」と呼びかけ、さらに「独立建国型、反差別型、自己実現型の3つの国籍意識をいかに調和させていくか問われている現在、帰化同胞に対しても同じ在日コリアンとして民団が正式に受け入れていく時がきたのでは」と強調した。

 続いて李清一くらしづくり部会長(イカイノ保育園園長)が、21世紀の共生社会に向けての「在日同胞の新しいライフスタイルへの提言」と題して報告した。李部会長は、在日同胞社会も確実に少子化、高齢化が急激に進んでいるとして、国民年金未加入問題などについて言及した。

 また老人福祉事業における成功例として、民団大阪泉北支部会館が「街角デイサービス・和泉ムグンファハウス」として運営していることなどをケーススタディーとして報告し、新しい在日同胞のライフスタイルとして地域行政への積極的参加および本名の積極的な使用、地域の内なる差別意識の克服などをあげた。

 次に朴一「人・文化づくり部会」委員(大阪市立大学大学院教授)が「在日の民族教育の可能性と展望」と題して報告し、民族教育再生計画として日本の公教育での本名指導の徹底化在日同胞史の学習強化英語なみの韓国語普及―などを提起したあと、民族学校については来年秋までに具体的な民族学校活性化方案の提言をめざし、研究をすすめていきたいとした。

 最後にの呉徳洙「人・文化づくり部会」委員(映画監督)が「在日の文化とは何をさすのか、一緒に考えたい」と問題提起し、文学、美術、音楽、映像、芸能など8分野で各文化賞を設定し、年に一度のコンペティション開催を提言した。また、4年後の2005年には、乙未条約(1905年)から数えて100年になることを記念して、6大都市を中心に「在日100年フェスティバル」の開催と同時に「在日100年物語」と題した一大歴史ドキュメンタリー制作を提案した。

 質疑応答では特に、存続危機におよんだ京都韓国学校の現状と今後の方向性などについて論議がかわされた。

(2001.12.05 民団新聞)



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