民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー

「金大中、マンセー」?再論



 「テレビでは平壌の市民が金正日と金大中の名前を両方叫んでいるっていっているけど、私にはキム・ジョンイルしか聞こえない。10年暮らしても、私には韓国語が聞き取れないってこと?あなたはどう?あなたにはキム・デジュンっていう声がきこえるの?」(伊東順子「病としての韓国ナショナリズム」〈洋泉社親書〉から)

 2000年6月の金大中大統領平壌訪問のテレビ生中継をソウルで見ていた伊東さん(フリーのジャーナリスト)が、確認のために韓国人の友人宅に電話したもの。返答は「私にも聞こえなかった」だった。

 当時、東京で韓国テレビ局による生中継をじっと見ていた私たちにも「金正日、マンセー」の大歓声しか聞こえなかった。ところが、日本の主要紙中、朝日新聞、産経新聞、日本経済新聞の3紙(ソウル特派員)は「金大中、マンセー」の大歓声もあったと伝えた。産経新聞は、翌々日のコラム「産経抄」では「金大中、マンセーは聞かれなかった」としていた。「読売」「毎日」「東京」の3紙も「金正日、マンセー」だけと報道していた。

 「本当はどうだったのか」。問い合わせたところ、「産経」を含む3紙とも「『金大中、マンセー』はあった。聞き間違いでなく事実だ」との返答であったことを、今でもはっきりと覚えている。

 願望、期待、錯覚などによる「誤報」ではなかったのか。「再検証」がなされていないのは残念だ。(Y)

(2002.02.06 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ