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李秀賢さん・関根さんしめやかに1周忌



李さん、関根さんの1周忌慰霊祭

金民団中央団長も献花

 自らの生命を省みず人命救助にあたり、帰らぬ人となった故李秀賢さんと日本人カメラマン関根史郎さんの1周忌合同慰霊祭(同実行委員会など主催)が、韓国から秀賢さんの遺族を迎えて1月26日、ペアーレ新宿で行われた。

 慰霊祭には崔相龍駐日大使とともに民団中央本部からは金宰淑団長が出席、献花した。

 また、日本政界からは田中真紀子外相、福田康夫官房長官らが駆けつけた。

 会場は故人を偲ぶ関係者ら500人で埋め尽くされた。

 弔辞を述べた田中外相は「とっさの行動として瞬時の判断で他人の命を救うことは大変なこと。韓国訪問の折りには公務の合間を縫って秀賢さんのお墓に詣でたい」と述べた。


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勇気の行動しのんで
「顕彰奨学会」が発足

 JR新大久保駅のホームから転落した日本人乗客を救おうと線路に飛び込み、自らも犠牲となった韓国人就学生、李秀賢さん(26)をしのぶ「李秀賢顕彰奨学会」が秀賢さんの命日にあたる1月26日、都内のペアーレ新宿で発足した。

 発起人会と引き続き開かれた設立総会には趣旨に賛同した民団中央本部と青商連合会からもそれぞれ代表が参加、会長には日本外務省でアジア局長などを歴任した矢野作太郎氏を選んだ。

 同奨学会では日本とアジアの架け橋を目指していた故人の遺志を継ぎ、今年度からアジアからの就学生に1人あたり年間30万円(月2万5000円)を支援していく計画だ。支給対象者数は3年間で300人。各地の日本語学校から推薦を受け付け、選考委員会で該当者を決めていく。

 資金は全額寄付金。今後3年間で1億円を集めていく予定。この事業は国際交流基金の特定助成金交付の対象事業として認定されており、寄付者は税制上の優遇措置を受けられる。

 なお、すでにこれまで寄せられた見舞金から1000万円を寄付している秀賢さんの両親を名誉会長(仮称)とすることも決めた。

 就学生として日本で学ぶ外国人は現在、中国を筆頭に韓国、台湾、タイなどから約3万人とされる。このうち日本政府から奨学金などを支給されているのは0・5%以下の150人にしか過ぎない。

 「李秀賢顕彰奨学会」の連絡先は東京・荒川区東日暮里の赤門会内仮事務局、電話03(3806)6120まで。

(2002.02.06 民団新聞)



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