先月、都内の大学で心理学部の開設を記念するシンポジウムが開催された。
パネルディスカッションでは、新学部の各講師が「心理」「家族」「産業」などのカウンセリングの現状と将来展望について説明。中でも興味を持ったのは、東京臨床心理士会副会長で東京都教育相談センター主任を務める岡本淳子さんによる「学校カウンセリングの現状と展望」についてだった。
現在、全国の4338の中学校にスクールカウンセラーが配置されており、文部科学省は、この5年間で全国の1万校にスクールカウンセラーの配置を計画しているという。
いじめ、友人関係、不登校問題など、年々複雑化し見えにくくなっていく「心の病」。岡本さんは、子どもの「心の居場所」作りと、教師、保護者、地域、専門機関が協力し連携していくことが重要だと説く。
しかし、1つの疑問が頭をよぎる。「在日」を含む外国籍児童の心を受け止めるための具体的対策は検討されているのかということだ。カウンセラーとは医師と同じ「生命」を扱う職業といわれる。
異なる歴史的背景を背負うがために民族差別を受け、心に大きな痛手を負っている外国籍児童は存在する。将来、この子どもたちの心の苦悩を正面から受け止め、そして「心の安心」と「心の解放」を与えてくれるカウンセラーの方たちが輩出されることを願う。(U)
(2002.02.13 民団新聞)
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