民団新聞 MINDAN
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在日へのメッセージ

橋田欣典(共同通信社会部記者)



舞踏への招待

 韓国の若者の音楽(K-pop)をガンガン聴いてマッコリで盛り上がるクラブ(ディスコ)が、去年から毎月最終土曜日に渋谷でオープンしている。その名も「韓晩」だ。

 10代から40代までひしめき合う約100人の客のうち、5割は日本のOLや女子学生。残り3割が在日の若者、2割は来日したばかりの韓国人までさまざま。一人で来る人も多い。

 「韓国の道ばたで買ったミュージックテープがものすごくよかった」「日韓自動翻訳のホームページでおしゃべりを楽しんでいて韓晩を知った」。OLたちの韓晩との出会いはさまざま。

 踊り疲れた廊下では学生たちが日韓の歴史認識について議論し、民団系と朝鮮総連系の若者が民族団体の将来について、率直に意見を交換する。そしてハングルの歌にのってみんなが踊り、日本のロックバンドにみんなが飛びはね、最後にはみんな仲間になって2次会に繰り出す。

 そんな楽しい夜を1月末、初めて体験した。参加者は「韓国の歌には感情がある」と口を揃える。在日でK―popを以前から知っている人は少数派。日本のOLが韓国の熱い音の紹介役だ。

 日韓の政府間にはしばしば、すきま風が吹き、一部の自称「文化人」は執拗にお互いの誹謗中傷を繰り返す。かび臭い対立の反対側で、音楽と心の熱い交流があることを実感した夜だった。

 「韓晩」をつくったのは在日と日本の若者たち。その輪は今、名古屋にも広がっている。理屈じゃなく心と体で日韓を感じてみてはどうだろう。次回「韓晩」は2月23日に開かれる。問い合わせは03(5816)6167。

(2002.02.13 民団新聞)



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