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「離散家族再会」早急に実施を




 きのう(2月12日)は、わが民族の名節「ソルナル(旧正月)」でありました。この間先送りされてきた第4回南北離散家族相互訪問を、この日を期して実施しよう、と大韓赤十字社側は、さる1月29日に北韓の朝鮮赤十字中央委員会側に提案していました。だが、北韓側から返答はなく、実現しませんでした。南北離散家族再会は、昨年2月末に、双方100人ずつのソウル・平壌訪問団(第3回)交換以来、中断されています。残念でなりません。


■1年近くも中断状態に

 「第4回相互訪問」は、本来は昨年やはり民族の名節である「秋夕」(旧盆)の10月16日からソウルと平壌で実施されることになっていました。双方100人ずつの名簿も確定、後は実施を待つだけでしたが、直前に北韓側が一方的に延期させたものです。

 その後、11月の第6回南北長官級会談では、再会場所を北韓側の主張する「金剛山」として「12月中に実施」で原則的に合意をみました。このため韓赤側は昨年12月11日、「年内実施」をあらためて提案したが、北韓側からの返答はなく、今年に持ち越されました。

 離散家族相互訪問事業は、00年6月の南北首脳会談で発表された「6・15南北共同宣言」にもとづき開始されたものです。統一部と韓赤に離散家族再会を申請した11万7576人のうち、すでに12・4%にのぼる1万4589人が亡くなり、70歳以上の高齢者は6万2852人(61・4%)にもなります。離散家族問題は、最優先的に解決されなければならない人道的問題です。韓赤では、可能ならば90歳以上の高齢者(韓国側約1000人)の無条件再会を実現させたいとしています。


■信頼構築には欠かせぬ

 00年6月の第1回南北赤十字会談では離散家族再会定例化のための常設面会所設置にも合意をみています。しかし、いまだに面会所は設置されておらず、何時になるかも定かでありません。肝心の南北赤十字会談が昨年1月の第3回会談以後、やはり北韓側の一方的な延期通告と再開拒否によって開かれていないためです。

 それにもかかわらず北韓は依然「6・15共同宣言」履行と「同族愛」を強調しています。本心からであるならば、すでに「合意」済みの「第4回訪問団交換」の早期実施に応じるべきです。南北赤十字会談も即刻再開させ、「常設面会所」を速やかに設置・運営し、書信の交換も定期的にできるようにすべきです。北韓当局に対する韓国国民の不信感をやわらげ、信頼構築へと一歩進めるためにも欠かせません。

 そもそも、離散家族問題については、「自由な書信交換と往来と再会および訪問の実施」はもとより、「自由意思による再結合実現」に南北当局間で正式合意(91年12月「南北基本合意書」)してからでも、すでに10年が経過しているのです。

(2002.02.13 民団新聞)



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