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国際理解教育で学校訪問

12カ国がお国自慢の文化紹介



川崎市内の公立小で児童の質問に答える会員

共生社会実現へ一役
在日外国人ボランティア「KFV」

 【神奈川】川崎市在住の外国人市民だけで構成するユニークな民間ボランティア団体「KFV(川崎市外国人市民ボランティア)」(金煕淑代表)が、国際理解教育を柱とした活動で川崎市での多文化共生社会実現に一役買っている。活躍の舞台は市内の学校現場にとどまらずバザー、市民フェスティバルと広がっている。

 「KFV」は、川崎市外国人市民代表者会議の任期を終えた有志5人が発起人となり、日本人市民との相互理解促進のため外国人自らできることをしようと結成した。現在、会員は12カ国29人。このほか会員の活動を側面からサポートする日本人の賛助会員も25人を数えるまでに広がった。

 川崎市教育委員会からは「民族ふれあい事業」講師のコーディネーターを委託されており、学校からの求めに応じて会員が生の声で自国の文化や言葉を紹介している。国際理解教育、総合的な学習の時間などで01年度は学校現場に25回講師を派遣、約3000人の児童生徒とふれあった。

 7日、市内の宮崎台小学校の企画した総合学習「世界の人と手をつなごう」には韓国籍の金代表をはじめとしてフランス、インド、ペルーの4カ国会員が参加した。学校では6年生137人が講師を迎えた。

 4人それぞれがまず自国の言葉であいさつすると、「ワー!」という歓声が広がった。このあと4グループに分かれ、各国の講師を囲んで交流した。韓国のグループは金代表から韓国の子どもの生活ぶりを聞き、コンギノリやチェギチャギを楽しんだ。これに対して子どもたちも日本の太鼓をたたき、日本の食文化の紹介に努めるなど、双方向での異文化交流が実現して金代表を喜ばせた。

 金代表は「外国人が自国の文化を紹介するだけでなく、子どもたち自ら日本の歴史や伝統文化について理解を深めることも大事。同じ人間だけど違う、違っても一緒に楽しめるのだということを理解してほしい」と話している。

 「KFV」は世界の文化を広く市民に紹介するイベントも行っている。昨年は「アフリカン・デー」で260人収容の国際交流センターが満席となった。今年は韓・日両国によるサッッカーワールドカップ共催の年とあって「コリアン・デー」とすることが決まっている。

(2002.02.13 民団新聞)



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