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W杯機に韓国理解増進活動を




 あと86日で2002FIFAワールドカップ韓日大会が始まります。96年5月31日、アジアで初めて、そして初の2カ国による共同開催という韓日共催大会の開催が決まって以来、あと3カ月弱で6年の歳月が流れます。

増える公教育中の理解講座

 88年のソウル・オリンピックを前後して日本で起こった「韓国ブーム」以来、この6年の間に改めて韓日関係は一段と近づいた感がします。金大中大統領の訪日も、緊密な韓日交流の増進に拍車をかけました。訪日時に約束を交わした「韓日国民交流年」もW杯に照準を合わせた今年、両国で様々な交流が行われています。

 これらの動きは、韓日両国にとってのみならず、在日韓国人社会にとっても大変喜ばしいものです。

 この流れを裏打ちするかのような動きが最近、活発になっています。それは、日本の小中学校で「国際理解教育」の一環として、韓国をはじめ外国を知ろうとする授業が増えていることです。もちろん、日本社会の国際化に対応するために取り組まれているものです。この4月から正規の事業として取り入れられ、総合学習の時間でも各教育現場で国際理解教育として韓国はじめ諸外国への理解を深める教育が行われるでしょう。

 大きな潮流として韓日関係は親密度を増しつつありますが、昨年韓日で大きな問題となった日本の中学歴史教科書問題は、両国関係に暗い陰を落としました。残念なことと言わざるを得ません。新しい歴史教科書を作る会の偏った歴史観から引き起こされた問題ですが、まだ解決された問題ではなく、火種は残っています。

未来関係構築の土台に

 偏った歴史観に貫かれた公教育の教科書を広めようとするのであれば、昨年のように私たちは断固として拒否をし、戦わねばなりません。その一方で、日本の教育現場で広がりを見せている、より高次元で実りある国際理解教育を一層広めていく努力こそ、将来に根ざしたものといえるでしょう。

 民団はすでに、各地で個別には取り組みを広げつつあります。教育委員会や学校から韓国理解のための講師役を依頼されています。50回以上にわたって地元児童・生徒を前に、韓国文化などについて身近な例を挙げながらわかりやすく隣国を紹介している民団役員も存在します。伝統楽器を使った農楽を通じて地元小学校で理解を深めている幹部もいます。

 これら活動は、地域に密着した信頼関係を作っていく民団の活動として、非常に有意義でしょう。ばかりでなく、将来の新たな韓日関係を築く上で大きな力になり得るものです。

 W杯韓日共催を契機に、より深い韓国・在日理解のためにも多くの支部で取り組んでほしいものです。

(2002.03.06 民団新聞)



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