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韓国の名宝展

国宝・宝物など270点一堂に



円衫(朝鮮朝時代・19世紀〜20世紀初)
宮中遣物展示館所蔵

大阪歴史博物館16日から5月6日まで
東京国立博物館6月11日から7月28日まで

 韓国の国宝・宝物などの名品の数々を一堂に紹介する「韓国の名宝」展が16日から5月6日まで大阪歴史博物館で開催される。同展ではW杯韓日大会を記念する韓日文化交流特別展として、陶磁器、彫刻、青銅器など様々なジャンルの作品が紹介される。同展は、76年に京都、福岡、東京の3都市で国宝40余点を含む350点の名品を紹介した「韓国美術五千年展」に次ぐ韓国総合文化展として注目されている。6月11日からは東京国立博物館でも開催される。

「5千年展」以来の規模
陶磁器・金製品・青銅器・彫刻など日本初公開品も

 同展は韓国国立中央博物館の全面的な協力により、国立慶州博物館、国立扶餘博物館、国立民俗博物館などをはじめとする韓国国内の18機関の主要博物館や美術館から集められた国宝31点および宝物など70余点を含む約270点の名品が展示される。

 展示内容は6部から構成されている。

 「先史・三国時代の考古遺物」コーナーでは、中国の影響を受けた「遼寧式銅剣」「韓国式銅剣」などの韓国独自の銅器や新羅や百済の王陵から出土した豪華な金製の副葬品が展示される。

国宝87号 金冠
(三国時代〔新羅〕・5世紀)
国立中央博物館所蔵

 国宝87号の金冠(三国時代〔新羅〕・5世紀)は1921年9月、慶州市路西洞の民家の裏庭で偶然見つかった金冠塚から出土した。慶州の古墳郡からは、全部で6個の純金製金冠が出土しているが、最も代表的な作品と言われている。

 薄い金板を切り抜いて作った台輪上の前半部に3本の樹枝形の飾りを、また、後半部に2本の鹿角形装飾を立て、さらに各樹枝形には勾玉と瓔珞(ようらく)を一定の間隔で吊している。

 「仏教美術」コーナーでは、天衣が広がる古式の「菩薩立像」や「菩薩半跏像」など、貴重な彫刻が12点出品されるほか、釈迦の生涯を描いた仏画の代表作で日本初公開の「八相幀(宝物)」などが展示される。

 日本初公開となる国宝28号の薬師如来立像(統一新羅・8世紀末期)は像高177aで、現存する統一新羅時代の金銅仏の中で最大の像。仏国寺の2つの金銅仏像と共に、新羅後期の金銅仏像を代表する1つ。

 両手先と台座を欠失しているが、謹厳な顔の表情と明瞭な耳・目・口・鼻の表現、法衣の着方、一律にU字形を描いて流れ降りる衣文、像内部が完全に中空の鋳造技法など、統一新羅時代・8世紀後半の仏像の特徴を示している。

 像全体に円形の型持が均等に配置され、背面に4個の大きな四角形の孔があり、当時の鋳造技法を知る上で大きな手がかりとなる。



国宝95号
青磁透彫七宝文香炉
(高麗時代・12世紀)
国立中央博物館所蔵

 「高麗青磁」コーナーでは12世紀以降の青磁の代表作が多数展示される。



 国宝95号の青磁透彫七宝文香炉(高麗時代・12世紀)は、七宝飾りのつなぎ目に小さく白像嵌を点じ、透かし彫りの球形の蓋を被せている美しい香炉。3重に花弁を貼り重ねた炉身を3羽のウサギが支えている。炉身で香を焚くと透し彫りの孔から香煙が漂う仕組みとなっている。

 「朝鮮陶磁」コーナーでは、「青花松竹文壺(国宝)」や「鉄砂梅竹文壺(国宝)」などの優品が公開される。

 「朝鮮時代の絵画と書跡」コーナーでは朝鮮朝時代の風俗画や著名な書家の行書などが紹介される。





国宝239号
宋時烈肖像
(朝鮮朝時代・1651年)
国立中央博物館所蔵

 宋時烈肖像(国宝239号)の肖像画は、朝鮮朝中期の代表的肖像画の1つ。宋時烈は性理学を大成した学者で、膨大な文集(宋子大全)を残している。1651年に描かれた作者未詳のこの作品は、尤庵の自讃と正祖の御製讃文がある。

 「宮廷・両班」コーナーでは、王族が着用した服飾、宮殿や室内を飾った屏風、印刷資料、日時計など宮廷文化を代表する作品や、両班の女性が使用した装身具なども展示される。

 開館9時半から17時(金曜日は20時まで)、休館は毎週火曜日(最終日は振替休日)。一般当日1200円、高・大学生900円、前売り一般1000円、高・大学生700円。問い合わせは、ハローダイヤル(06-4860-8600)。


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脇田修・大阪歴史博物館館長の話

古来より日本と韓国は、文化や技術、人の交流の面で密接な関係を持ち続けてきた。特に韓国と大阪は関係が深く、古代には百済の人々が移住し、近世には朝鮮通信使の宿泊地として市民たちとの交流があり、また銅や薬などの貿易でも中心的な役割を果たしてきた。そのような歴史を踏まえると、このたびの韓国の国宝を含む名宝の数々を展示して、優れた韓国文化を紹介できるのは、日韓友好の発展のみならず、大阪では特に意味のあることだ。


国宝28号
薬師如来立像
(統一新羅時代・8世紀末期)
国立慶州博物館所蔵

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「韓国の名宝」展招待 読者10人に招待券提供

 大阪歴史博物館で開催される「韓国の名宝」展に、読者10人に「無料招待券」をプレゼントします。

 ご希望の方はハガキに住所氏名年齢職業連絡先を明記のうえ、〒106-8585東京都港区南麻布1-7-32/民団新聞「韓国の名宝展」係。締め切りは25日まで。

 民団大阪府本部では、前売りチケットの1割引き「特別観覧券」を受け付けています。締め切りは25日まで。問い合わせは、同本部・文教部(06-6371-7331)。

(2002.03.06 民団新聞)



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