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入居差別是正へ強権

川崎市・条例に基づき当事者と話しあい



 【神奈川】川崎市内の民間アパートに入居を希望していた在日同胞3世の「平舜さんが、外国籍を理由に入居を断られたことがこのほど明らかとなった。事実を確認した川崎市は、川崎市住宅基本条例14条2項の規定に基づき、差別した業者から事情を聞くなどして改善を求めている。

 2月28日には入居差別をした業者を呼び、川崎市ふれあい館で入居差別を受けた当事者との2回目の話し合いの場を設けた。これは事件の全容を確認するとともにその問題性を明らかにし、業者に自らが行った差別行為について考えてもらおうというもの。行政が外国籍住民の入居差別問題で双方の当事者から話を聞く場を設けたのはこれが初めて。

 市の調査とこれまでの話し合いによれば、「さんは昨年11月20日、川崎区砂子にある不動産店「センチュリー21(株)平和開発」で気に入った物件を見つけた。その際、外国籍である旨を明らかにし、担当者からも「問題ない」との回答を得た。

 後日、申込書をFAXで送付したところ、外国籍を理由に入居できない旨を告げられる。これは同物件を取り扱っている提携会社の(株)ルームグリーンの意向だった。同社は法人契約を除いては原則として内規で外国籍の入居を断っていた。

 「さんは外国人への差別だとして平和開発に抗議、市にも「民間賃貸住宅への入居機会の確保」をうたった条例14条2項に従い、業者への指導を求めた。市側は個人情報を多く含む申込書に記入させたうえで断った平和開発の行為を重視、二度と外国人に対する入居差別を起こさないよう指導した。平和開発も外国人の入居に理解を示すようになった。

 ただし、直接の当事者であるルームグリーンは外国人の入居に関する要請には明確な回答を明らかにしなかったため、1月26日に第1回目の話し合いを持った。市としてはこれからも話し合いを重ねることでルームグリーンが14年前から慣行として行ってきた入居差別の全容を明らかにし、差別事件としての認識を求めていきたい考えだ。

(2002.03.06 民団新聞)



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