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2年間で32校新設・全国163校に

文科省2001年調査結果



『韓国語』開設高校じわり増加
独語を上回る履修者数4587人に


 英語以外の第2外国語として「韓国語」を開設している高等学校が全国で163校(01年7月1日現在)を数え、2年前の調査に比べて32校増えていることがわかった。これは日本文部科学省が86年から全国の高等学校を対象に隔年で実施しているもので、昨年が8回目の調査だった。履修生徒数では今回、「韓国語」が初めてドイツ語を上回った。

 昨年7月1日現在で英語以外の外国語を開設しているのは公立382校、私立216校の合わせて598校、23言語だった。開設学校数は1046校で2年前に比べて10・5%増加した。

 開設言語で最も多かったのは中国語424校、2番目にフランス語215校、続いて「韓国語」163校、ドイツ語107校、スペイン語84校の順。履修者数では「韓国語」が3972人から4587人に増えており、ドイツ語の4548人をわずかながら上回った。

 「韓国語」の開設校は80年代後半から顕著になり、87年から98年にかけては年平均で9・4校の割合で増加している。この要因としては、中・高校での選択科目の多様化、柔軟化の必要性を説いた87年の臨時教育審議会最終答申、さらに93年にも「外国語教育の改善に関する調査研究協力会議」から「近隣のアジア地域の言語に目を向けよう」との報告があったことが大きいようだ。

 ただし、「韓国語」開設校が増えたとはいえ、全国の高校数5478校からすれば全体の約3%にしか過ぎない。兵庫県立湊川高校の」の教員として生徒に「韓国語」を教えている方政雄さんは、「主体側の努力、働きかけがもっと必要」と次のように話している。

 「実施校をもっと増やさなければと思う。韓国語があたりまえの外国語として学ばれるよう教具教材を研究・開発し、教授法も工夫していきたい」と意欲を燃やす。

 また、民団大阪本部文教部の鄭炳菜さんも「大阪では28校で開設されているが、実施校となると20校にとどまる。これからどれだけ広げられるかと考えたら、課題のほうが大きいように思う。それには、身近な『在日』という存在を通して日本人に韓国への関心を持ってもらうことが第一。民団としても、韓国会館を利用して韓国の文化を広く日本社会に発信していきたい」と話している。

(2002.03.27 民団新聞)



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