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京都の6町も支給へ


高齢・障害者特別給付金



野中園部町長に請願書を手渡す
李民団丹波支部支団長(右)と
姜総連口丹支部委員長(左)

 【京都】日本の国民年金制度の外に置かれた定住外国人の高齢者や障害者に、独自で福祉手当を支給する自治体が増える中、京都の船井郡内6町もこのほど、新たに支給することを決めた。同制度は、福祉手当や特別給付金などと呼ばれ、無年金状態に置かれた同胞高齢者・障害者にとっては生活するための資金として重要な位置を占めるものとなっているだけに、支給する自治体の増加が臨まれる。


4〜6月から実施
民団・総連合同請願受けて

 京都の民団丹波支部(李海根支団長)と総連口丹支部(姜主淳委員長)の連名による町議会への「在日外国人高齢者・障害者の無年金者に対する救済措置を求める請願」を受けた船井郡内6町は、在日同胞らの無年金高齢者に新年度から独自の福祉手当を支給していくことになった。

 これは在日韓国人の歴史的背景と高齢を考慮、いち早く対処することにしたもの。対象となる在日同胞は40人前後と見られている。障害者については引き続き検討していくことにした。

 金額は6町とも月額8000円。支給開始は4月ないしは6月からを予定している。民団丹波支部管内ではすでに亀岡市が地元の民団と総連支部からの同様の請願を受けて昨年4月から月額1万円を支給しているため、同支部管轄のすべての自治体で高齢者福祉手当を勝ち取ったことになる。

 両支部は2月6日の八木町を皮切りに3月8日の和知町まで管内の船井郡6町を回り、町議会への請願書と併せて町長にも合同で要望書を提出してきた。これを受けて船井郡6町と同じ行政管轄区域内にある北桑田郡の京北町、美山町の2町を加えた8町の町長が集まった会議では正式な議題にこそならなかったが話題に上り、足並みをそろえて、できれば同じ金額で実現しようということで一致していた。

 請願を受けた町議会では日吉町に続き、八木町が18日の町議会最終日に採択している。このほかの自治体では要望を受けた町長自ら実務者に予算化を指示している。

 なお、民団北桑田支部管内の京北町、美山町では現在、月額5000円の福祉手当を支給しているが、船井郡6町と同様、新年度から月額8000円に増額していく方向で調整中とのこと。


■□
700自治体が支給(高齢者)

 定住外国人障害者と高齢者に対する自治体の特別給付金は現在、3300余の自治体中、高齢者に対しては704自治体、障害者へは601自治体が支給している。

 難民条約批准にともない、82年に国民年金法の国籍要件が撤廃されたものの、沖縄返還時に過去に遡って保険金を支払うなどの経過措置も取られず、60歳を超えていた高齢者と20歳を超えていた障害者は年金受給から排除された。

 根本的解決には国民年金法の改正が必要とされるが、高齢化と障害を持つ体で生活に苦しむ高齢・障害者を救済するために、民団などが積極的に自治体に対して陳情を続けてきた。

(2002.03.27 民団新聞)



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