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永住外国人にも住民投票資格

全国初の条例案提出へ



テーマ限定しない常設型
愛知県高浜市


【愛知】全国初の「常設型」住民投票条例がある愛知県高浜市(森貞述市長)は、民団愛知県本部(崔東佑団長)に対して20日、かねてより検討中であった「永住外国人に住民投票資格と請求資格を認める」方針であることを明らかにした。6月定例市議会に同条例改正案を提案する予定で、可決される見通しという。

 滋賀県米原町議会が今年1月、全国で初めて永住外国人の住民投票資格を認める住民投票条例を制定したが、周辺自治体との合併問題に限った条例であった。事項を限定せずに資格を認めるのは、高浜市が初めてとなる。米原町の村西俊雄町長は「永住外国人の請求資格も認めるのは素晴らしい。高浜市は私たちにとって住民投票の大先輩。町づくりへの永住外国人の参加の輪が広がっていくのはうれしい」と述べている。

 高浜市は、「市政運営上の重要事項」であればテーマごとの議会の議決を必要としない常設型の住民投票条例を00年12月に全国で初めて制定している(01年4月施行)。同市は同条例制定時に、「永住外国人の投票を認めることも検討した」が、国会での永住外国人地方参政権法案論議の行方を待つということで見送られたという。

 同条例の改正を主導している森市長は「町づくりなどの身近な課題に対する参画では、日本人と外国人の区別はない」と強調している。

 条例改正案では、同市に3カ月以上住み、20歳以上の永住資格を持つ外国人に住民投票権を認め、住民投票を実施する際に、選挙人名簿に永住外国人を加え統一した投票資格者名簿を作成する方針である。

 同市の総人口は昨年12月末現在で3万9222人、外国人総数は1058人、このうちブラジル人774人、韓国・朝鮮168人、中国24人、フィリピン20人などとなっている。また今年3月1日現在の有権者数は約2万9000人。永住外国人は290人在住し、うち20歳以上は241人となっている。

 高浜市は、介護サービス事業の基盤が整備され、市民参加の運営がなされている「先進福祉自治体」として全国的に知られており、今回の永住外国人への住民投票権付与についても注目されている。

 民団愛知県本部では今年1月、愛知県内全自治体(愛知県・31市・57市町村)に対し、地方公務員採用における一般事務職の国籍条項および採用状況高齢者・障害者給付金実施状況定住外国人の地方参政権付与および住民投票権など、自治体の施策調査を実施、高浜市から前向き回答を得ていた。県本部では、今回の動きが、県内はもとより全国各地の自治体にひろがり、ひいては地方参政権付与につながることを期待している。

(2002.03.27 民団新聞)



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