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民団葛飾の奔走で5年ぶり再会

夫は心臓疾患で生活保護受給



病床の権さんの世話をする崔さん(左)

韓国在住妻に訪日ビザおりず

 心臓に重度の疾患を抱えて東京の自宅で療養中の夫を気遣い1日も早い訪日をと願っていた韓国在住の妻が、民団東京・葛飾支部(李幸作支団長)の奔走により東京で夫と5年ぶりに再会した。

 この夫妻は権彜ソさん(81)と崔良順(62)さん。権さんは第2次大戦中、徴用先のサハリンで日本人の妻と結婚した。しかし、その妻を解放前に亡くした。その後、韓国で崔さんと出会い、20年ほど前に再婚した。ただし、崔さんは韓国で幼い弟の世話をしていたため、しばらくは別居生活が続いていた。

 結婚から数年後、権さんは心臓を患い、ペースメーカーを体内に埋め込む手術を受けた。生業としていた下水道工事もできなくなり、生活保護を受ける身に。

 昨年、年末恒例の独居老人慰問で権さん宅を訪問した李支団長は、権さんの窮状を目の当たりにして、崔さんを呼ぶことにした。しかし、崔さんがソウルの日本総領事館で申請をしてもビザは下りなかった。崔さんがかつて権さんのもとを訪ねた際、知らないうちに観光ビザで許された滞在期間をオーバーしていた前歴あったこと。また、権さん自身の自活能力も問題とされたようだ。

 李支団長はともすれば生活がすさみがちになる権さんを励まし、関係機関との折衝を重ねた。懇意にしている日本の国会議員にも相談した。こうした働きかけが実りようやく1カ月前、90日間のビザがおりた。崔さんは、「うれしくて言葉にならない」と心境を述べた。

(2002.05.29 民団新聞)



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