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会館に笑み満開

阪神支部1世の集い「チャダン会」20年



気がねなく笑顔で楽しむことができるチャダン会

待ち遠しい毎月の開催日
歴代団長の家庭訪問で定着

 【兵庫】昔は何十軒とのきを連ね、お互い行き来していた1世のお年寄りたちも、高齢化の中で次々とリタイアし、独り暮らしが多い現状を打破しようと、民団阪神支部(金翼河団長)では、約20年前から毎月1回、お年寄りたちの集いの会「チャダン(滋堂)会」(鄭南浩会長)を開いている。少しでも地域の1世たちに恩返しをしたいとスタートし、今ではお年寄りたちの安らぎの場として定着している。

 同会は毎月15日、お昼前の11時から70歳以上のハルモニたちを対象に開かれている。5月15日の集いでは、あいにくの雨にもかかわらずハルモニたち15人が集まった。家族や孫の話など1カ月間温めていた思いを語りあい、訪れたハルモニらは、オリニに返って遠足にでも行ったかのように活気にあふれていた。この日のために口紅をさしてきたハルモニに「チョアヨ(とってもいい)!」という声が飛び、どっと笑いが弾けた。

 毎回支部から差し入れられる弁当に加え、婦人会同支部(趙孝行会長)のオモニたち手作りのチヂミやムクなどの韓国料理がハルモニたちの舌をう満足させている。趙会長は「少しでも1世たちの役にたちたい。美味しく食べている顔が励みになる」と月1回の料理にも力が入るという。

 最高齢者の金初同さん(82)は「和気あいあいと気がねすることなく話せて、毎月この日が待ち遠しい」とチヂミを頬張りながら満足気に語った。また同会の鄭会長(80)は「会長になって6年、この歳になって毎回休んだことがない。何か責任をもってやることは、若返りの秘訣」と言うだけあって顔の色ツヤもよく、食欲も旺盛。

 会が始まった当初は、お互いが弁当を持参して少人数で集まっていた。しかし、独り暮らしなどで仲間も作れずに寂しく暮らしているお年寄りらはもっと多いはず、と各家庭を訪問しては、会への参加を呼びかけてきた歴代団長の地道な活動が実を結んだ。

 このような支部の活動に、ハルモニたちのささやかな気持ちとして出していた年会費の中から、経理を担当する婦人会がやりくりして捻出した20万円を支部2階台所の改装費用に充てて欲しいと寄付するなど、支部にとって温かなプレゼントとして返ってきた。

 金団長は「1世たちを大事にすることは自分にも返ってくること。これからも継続していく」と語っている。

(2002.05.29 民団新聞)



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