民団新聞 MINDAN
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重い責任・「軽い」言葉



 「少しずつ会っていては、何人が会えるだろう。(南北離散家族)面会所設置を積極的に推進する。南側が合意し東海岸鉄道を連結すれば、面会所は陸路(金剛山)観光の適当な場所に必ずつくる」(金正日・北韓国防委員長、5月13日)

 平壌で会見した朴槿恵議員の「離散家族再会が数度行われたが、(これでは)いつ多くの離散家族が会えるだろうか。行事的『再会』より面会所の設置が重要」との指摘に応じたもの。「6・15南北共同宣言」発表からまもなく2年になる。

 だが、同宣言に基づきこれまで行われた南北離散家族再会は4回だけ。南北間ですでに合意をみている再会定例化のための常設面会所は、未だに設置されていない。南北和解・協力推進の象徴的事業として合意をみた京義線の早期再連結も実現しておらず、いつになるかすら定かでない。

 いずれも、北韓側の「合意」不履行のためだ。京義線再連結のための韓国側の工事は南北非武装地帯内を残すだけとなっている。

 「南側が(再連結工事を)開始すれば、われわれも着工する」との金国防委員長の明言(2000年8月)に反して、北韓側は工事に着手もしていない。にもかかわらず、新たに東海岸鉄道の再連結を提案し、しかも面会所設置の前提条件にしている。

 これでは、面会所設置は、さらに先送りされることになる。金国防委員長は、このことを知らずに「約束」したのだろうか。(Y)

(2002.06.05 民団新聞)



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