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同胞保護者ネットづくり後押し

学校、地域ぐるみ韓国文化にふれる



民族クラブ開設を視野に
大阪市立中本小

 【大阪】在日同胞子弟だけで集まり、民族的なものに触れあえるなんらかの場を校内につくっていこうという気運がここ数年、大阪市立中本小学校(東成区、菊地岩男校長)で静かな広がりを見せつつある。その原動力となっているのが、同胞保護者の間にできつつあるネットワークだ。菊地校長はこの芽を確かなものに育てていきたいと意欲を燃やしている。

 大阪市内には加配(定員の追加配置)を受けながら民族学級・クラブの開設されていない学校が中本小を含め5校を数える。各校とも民族学級・クラブの必要性は認め、これまで設置に向けた取り組みが行われているという。しかし、なかなか実らないのが現状である。各校関係者は在日同胞保護者から民族学級・クラブ開設を求める組織だった声が上がってくるのだけを期待しているかのようだ。加配校としてはあまりにも怠慢と指摘されてきた。こうした5校のなかで、それでも中本小は菊地校長の赴任を契機に民族学級・クラブの設置に向けた取り組みを行ってきた。

 まず、学校行事として一昨年10月に「韓国・朝鮮の文化にふれる集い」を実施。これは教師と子どもたちによる取り組みだったが、昨年はPTAや在日の保護者も参加した。全員で民俗遊戯を楽しんだ。なかでも、民族衣装を着ての記念撮影は人気を呼び、PTA広報委員会の作成する「広報中本」にも大きく掲載された。

 今年は複数の在日同胞保護者が、菊地校長や教師と連れだって隣接する大阪市立北中道小学校といっしょに北鶴橋小学校で開かれた「オリニ運動会」に初参加した。昼食のバーベキューにも合流し、その席で、在日同胞保護者から「私たちも同胞の仲間づくりをしていこう」との声がごく自然に出たという。

 菊地校長は「秋には第3回目の『韓国・朝鮮の文化にふれるつどい』を地域ぐるみで開く。このときまでに保護者の仲間づくりがどれだけ広がるか。教師と保護者の交流がどれだけ進むのかに注目している」と話している。

 中本小の取り組みが民族学級・クラブとして結実するのを周囲は期待している。

(2002.06.05 民団新聞)



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