病状など伝える韓日会話集も作成
在日同胞高齢者向け「福祉ガイドブック」
民団大阪が2年がかりで発刊
【大阪】介護保険サービスを利用する在日同胞高齢者のためにと民団大阪府本部(金昌植団長)が、府内の事業所1472カ所を紹介した「在日コリアン高齢者のための福祉ガイドブック」と「在日コリアン高齢者のための会話集」を足かけ2年がかりで作成した。
「ガイドブック」は大阪府と大阪市の協力のもと府内の関連事業所3400カ所余りを対象にしたアンケート調査に基づき「在日コリアン高齢者の受け入れが充実している」「在日コリアン高齢者が現在利用している」などに分類したもの。
このうち、同本部が「受け入れ充実施設」と認めた70の事業所については、「介護で必要なときウリマルで対応」(柏原寿光園ショートスティ事業部)、「在日コリアンのスタッフが充実している」(るうてるホームサービスセンター通所介護事業所)など各事業所の特徴も入れており、同胞高齢者がそれぞれのニーズに合わせて最適な事業所を選べるようにした。
一方、「会話集」は実際の介護の現場で、日本人医師や福祉施設の職員と母国語しか話せない在日同胞高齢者がコミュニケーションを図れるよう工夫した43枚のカード方式。「リハビリ」「在宅・入所」「症状」などの項目に分かれている。編集にあたっては医師や福祉施設職員から意見を聞き、必要にして十分な会話を網羅したという。
今回の事業は日本の社会福祉・医療事業団から助成を受けている。「福祉ガイド」「会話集」とも各1000部を作製、今月末から傘下の民団支部と行政機関などに配布していく。
同本部では「在日コリアンの高齢者がそれぞれのニーズに合わせた最適な事業所を選べるようにしたかった。言語、習慣などを知った介護者が増えることで、きめ細やかなサービスを受けられるようになることも期待している」と話している。
(2002.06.26 民団新聞)
|