金大統領は「忍耐心」強調
【ソウル】金大中大統領は21日、「ワールドカップ(W杯)でサポーターズを作り外国チームを支援したそのような雅量と思いやりをもって南北(統一)問題に対さなければならない。どんなことがあっても南北対話は疎かにできない」と強調した。国家報勳処長、光復会会長、傷痍軍警会会長、戦没軍警遺族会会長など国家有功者および遺家族170余人を青瓦台に招き昼食を共にした席でおこなった。
また、金大統領は「(金正日・北韓国防委員長の)ソウル訪問約束が履行されず、(京義線)鉄道連結、開城工業団地建設、金剛山陸路観光問題などが実現されていず、もどかしく、一部国民が大変批判しているが、われわれは忍耐心をもって努力しなければならない」と促した。さらに、「南北関係は一進一退があるが、大きく見れば緊張緩和の方向に向かっている」とし、「どんな場合にも武力で韓半島問題を解決しようとしてはならない」と力説した。
これに先立ち政府はさる14日、「6・15南北共同宣言」2周年を迎え、南北対話の再開を促す南北長官(閣僚)級会談の韓国側首席代表、丁世鉉統一部長官名義の書簡を、北韓側代表団の団長(金リョンソン内閣責任参事)宛てに送った。
丁長官はこの書簡で「南北共同宣言の履行は、民族の運命と直結する重大な問題であり、南北当局はいかなる困難も克服し、共同宣言を実践に移さなければならないという責任がある」と強調した。しかし、北韓側は、この呼びかけを無視し、いまだに返答すらしていない。
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「4月平壌合意」も相次ぎ不履行
北韓側は、今月11日開催で合意していた「金剛山観光活性化のための第2回南北当局会談」に応じず、南北当局対話を一方的に中断させた。このため同会談の韓国側代表団は10日に声明を発表、「遺憾の意」を表明すると同時に、既に合意した南北対話の早期再開に積極的に乗り出すよう呼びかけている。
この金剛山観光活性化南北当局者会談は、4月初めに林東源・大統領特使が平壌を訪問した際に合意したものの一つ。北韓側は、5月7日から10までソウルで予定されていた第2回南北経済協力推進委員会も、一方的にボイコットした。
(2002.06.26 民団新聞)
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