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韓日・W杯成功踏まえ交流拡大

両国首脳会談「未来共同メッセージ」発表



小泉首相「西海事態」韓国を支持
金大統領「地方参政権」重ねて要望

 金大中大統領は、サッカー・ワールドカップ(W杯)韓日大会閉会式出席などのために来日中の1日、日本首相官邸で小泉純一郎首相と首脳会談をもち、共催W杯の成功を土台に両国間の協力関係を一層強化することに合意し、「未来に向けた共同メッセージ」を発表した。また、北韓による西海海上での武力挑発事件(6月29日)について、小泉首相は憂慮を伝えるとともに韓国政府のとった措置に支持を表明。両首脳は「韓半島の緊張が高まらないよう冷静な対応が重要」との認識を同じくした。

 金大統領と小泉首相は「未来に向けた共同メッセージ」で、「W杯共同開催の成功が韓日関係を一層高いレベルへと発展させていくのに貴重な財産となった」と強調、「W杯を契機に醸成された韓日友好の機運を維持し、関係をさらに発展させるために、両国の国民と政府があらゆる英知を結集すべきだ」と呼びかけた。

 さらに「両国は友好と信頼に立脚して政治、経済、社会、文化の各分野にわたる両国民間の交流を一層拡大し協力を深めなければならない」と表明、このため今後スポーツ、青少年交流拡大のための「韓日共同プロジェクト」などを推進することを明らかにした。

 両首脳は特に「韓日間の経済分野での協力関係の強化は、両国だけでなく東アジア経済の発展にも大きく寄与する」との認識で一致し、韓日両国の関税障壁を撤廃する自由貿易協定(FTA)の締結を具体的に検討していくことにした。これと関連して、FTA締結および相互投資協定問題を具体的に協議する「韓日産学官共同研究委員会」が9、10の両日、ソウルで初会議を開くことに歓迎の意を表明した。

 北韓警備艇による武力挑発事件について、金大統領は「明白な休戦協定違反で、北韓側に対し謝罪と責任者の処罰、再発防止を要求した」と詳しく説明すると共に、北韓に対する包容(太陽)政策の基調を継続維持する意向を明らかにした。

 小泉首相は「包容政策」への全面的支持を表明、「日本・北朝鮮国交正常化交渉に真剣に取り組むと同時に日本人拉致問題の解決のために全力を傾ける」と説明。金大統領は、日・北韓関係の進展と拉致問題の早期解決への期待を表明した。

 両首脳は、韓日歴史共同研究委員会の内実ある運営のために両国政府が積極的に支援する一方、各種懸案を論議するための第3回韓日閣僚懇談会年内開催にも合意した。

 特に金大統領は「在日韓国人の地方参政権の実現を前向きに検討を」と重ねて要望した。金大統領は2日、日本天皇主催の昼食会に出席した後、帰国した。

(2002.07.03 民団新聞)



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