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「西海事態」に関する金民団中央団長談話文



南北関係悪化防止へ北韓は厳正な措置を

 全世界がサッカー・ワールドカップ(W杯)韓日大会の成功を確信していた6月29日、韓国の西海海上で北韓警備艇が韓国側に武力挑発を行い、韓国海軍兵士4人が死亡、1人が行方不明となる驚愕の事態が勃発した。この事態では韓国側の19人が負傷、高速艇1隻が沈没し、北韓側にも多数の死傷者が出たという。

 われわれ在日同胞は犠牲者の冥福を祈ると同時に、2000年「6・15宣言」の合意以降、和解と交流に向けたすべての努力に冷水を浴びせた北韓に対して、強い憤りを禁じ得ない。

 韓国はW杯の主催国として、昨年9月の対米同時多発テロ以降、緊張状態にある世界情勢に対して、スポーツを通して平和の尊さを訴えてきた。にもかかわらず、同族であり平和統一の同伴者である北韓が、南北関係に新たな緊張をもたらし、ひいては世界平和への人類の希求を踏みにじる蛮行に出たのである。

 折しも事件当日は、W杯での韓国代表の快挙により韓国内に祝祭ムードが広がっていた。今回の事態はこの祝祭ムードを切り裂くばかりか、停滞気味の南北関係をさらに冷却化させかねないきわめて憂慮すべきものだ。また、われわれ在日同胞社会でW杯を契機に大きく進展していた民団と総連の和合・交流にも水を差しかねず、到底許すことができない。

 われわれは全在日同胞の名において、北韓当局が二度と武力挑発を繰り返さないよう強く抗議するものである。と同時に、北韓が南北関係をこれ以上悪化させないことを内外に約束し、厳正な措置を取るよう要求するものである。

 2002年7月1日

 在日本大韓民国民団 中央本部 団長 金宰淑

(2002.07.03 民団新聞)



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