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マイノリティの文化、言語保持へ

神奈川の日本籍同胞



内蒙古大学の非常勤講師に
朝鮮族など視野・印刷技術向上期す

 日本とモンゴルとの文化交流を目指して94年から活動している市民団体「蒙古学文庫」(横浜市)を主宰する日本国籍同胞、権国裕さん(59)が、このほど中国内モンゴル自治区の首府、フフホト市にある内モンゴル大学蒙古学院新聞出版学系の非常勤講師に就任した。

 蒙古学院新聞出版学系は、情報処理技術者やアナウンサー、印刷技術者の養成などを目指し98年に新設されたばかり。権さんへの辞令は昨年10月1日付けで手渡された。

 今回、権さんに白羽の矢があたったのは、蒙古学文庫が96年から97年にかけて同大学の蒙古語文研究所との共同で和蒙辞典の編纂に携わるなど関係が深いこと。特に、権さんは印刷を生業としていることから同大の学部長にあたるオチラト主任副教授が要請したもの。権さんは当面、学年末の8月にモンゴル語と日本語による1週間の集中講義を予定している。

 権さんは「朝鮮族や満州族といった少数の中の少数民族ともいうべきマイノリティが言語、文化を保持するためには、少人数の彼らに合わせた印刷技術が求められている」と就任の動機を語っている。

 同大学は内モンゴル少数民族地域では初めて設立された。生徒数は約1万人を数える。「朝鮮語」で受験でき、少数民族は試験の採点にあたっても一定の優遇措置がとられている。

(2002.07.03 民団新聞)



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