民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
W杯韓・日組織委の共同声明(全文)



 韓国・日本両国のサッカー協会とW杯両国組織委員会が6月29日に発表した共同声明(全文)は次のとおり。

 21世紀初のFIFAワールドカップは、既に64試合中62試合を無事に終え、成功裡に終えようとしている。両国組織委員会の極めて精錬された円滑なトーナメント運営に対して、韓国・日本に参集した全てのフットボールファミリーは、最大限の賛辞をもって称えている。

 2002FIFAワールドカップはまた、アジアで初の大会でもある。1930年に始まったFIFAワールドカップは、ヨーロッパ、アメリカの地を離れ17回目にして漸くアジアに足を踏み入れた。フットボールの先進大陸以外で開催することについては、事前に、その成功を危惧する向きもあった。しかしながら、そのような心配は大いなる杞憂であったことが、開催両国による完璧な運営と、さらには両代表チームの成績によって証明された。

 韓日両国の代表チームは、いずれも一次ラウンドを突破し、日本はベスト16、韓国はベスト4と、素晴らしい結果を残した。これは、アジア各国がこれまで成し遂げることのできなかった快挙といえる。

 韓日両国は、アジア各国を代表してFIFAワールドカップを開催しただけでなく、成績の面でもアジアの開催国としての責務を果たすことができた。この果実は、アジア全体に残されるべきものであり、今後のFIFAワールドカップに一層意欲的に参加していくための大きな糧となるであろう。われわれはアジアの一員として誇りに思うものである。

 共同開催という大会形式もFIFAワールドカップ史上初の試みであった。海を挟んで往来するという複雑なトーナメント進行は、参加国の事前の懸念をよそに、韓日両組織委員会の緻密なチームワークにより完璧に行われ、世界のフットボールファミリーは、改めて、共同開催の現実性を認識した。韓国及び日本は、今後、複数国による共同開催を志向する国に対して、今大会の貴重な経験をもとに貢献することができるだろう。

 韓国・日本の共同開催はまた、想像しえなかった新しい局面を両国関係において創出した。開催国としてFIFAワールドカップを成功させなければならないという当事者意識が両国民各層で高まり、サポーターレベル、草の根レベル、市民レベルでの交流が大きなうねりとなって飛躍的に活発化した。近年の韓日関係から見ると極めて歴史的な出来事である。FIFAワールドカップは、韓日関係をも良い方向へ前進させたのである。

 地球上で最大のスポーツイベントであるFIFAワールドカップを開催できたことを、われわれは光栄に思う。この素晴らしい大会を成功させることができたのも、時には温かく見守り、時には厳しく助言を与えてくれたFIFAならびに世界のフットボールファミリーのおかげであり、大いなる感謝を申し上げる次第である。

 韓国と日本は、これからもアジアと世界のフットボール発展のため、共に努力を尽くすことを誓うものである。

 すべてはフットボールのために。

(2002.07.03 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ