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韓国快進撃に誇り

共催成功で両国交流に拍車



 FIFAワールドカップ史上初の2カ国共催、アジア開催という初物づくしの2002韓日大会で最も注目を浴びたのは韓国の4強進出だった。先行されても不屈の精神力で逆転劇を演じるなど世界のサッカーファンに驚きを与えた。在日同胞からも、共催の成功によって韓日関係はより親密さを加速させ、新たな次元に入るという声が相次いだ。

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在日同胞各界の声

共催成功で韓日新次元に
許寧太・在日大韓体育会会長

 アジア初の開催、初の共催、という大会であったが、韓日両国チームが決勝トーナメント進出を決めて、大いに盛り上がり、大成功に終わった。競技面では、韓国が大躍進で4強に進み、日本も16強を勝ち取るなど、両国共に素晴らしい成績を残した。

 これまでにない次元で両国の文化交流も進められるなど、今回の共同開催の成功で、韓日はより高度な信頼関係を築くものと確信する。

 朝鮮籍同胞を含めた在日同胞の参観団、その上に日本サポーターをも巻き込んだKJ合同応援団も同胞社会に新たな種をまいたといえるだろう。

心燃やした応援に感動
宋一烈・在日本大韓蹴球協会会長

ベスト4進出はこれまで欧州と南米の数カ国に限られていただけに、韓国の躍進は大きな革命を起こしたと思う。韓国の大健闘とあわせてヒートアップしていった在日同胞社会だったが、中央本部をはじめ民団会館でのテレビ観戦会には団員、留学生、ニューカマーもひとつになった。デモでも強制動員でもないのに自主的に集い太極旗を持って心を燃やした。こんな場を作った民団に賛辞を送りたい。

国民一体の応援に感無量
黄昌柱・民団神奈川県本部団長

韓国チームは期待以上に奮闘してくれた。4強入りは夢のようだ。何百万人もの街頭応援でも事故もなく、きちんと清掃までする姿に民族の自尊心を感じた。仁川で対ポルトガル戦を観戦したが、国民一体となった大同団結の応援は、感無量だった。

 決勝戦が開かれる横浜市との打ち合わせでは、一日に何度も行政を訪れ、最善を尽くした。地域住民の在日同胞の惜しみない協力で、事故のない大会運営に寄与したと自負する。

強い精神力が勇気くれた
李育鉄・学生会サッカーチーム「両班」代表

 赤いTシャツで精一杯応援した。最後まであきらめない精神力がすごい。自分たちの力を信じて全力で戦っている姿に感動した。韓国の活躍を見ていて「ここまでできるのか」と、家族全員が勇気づけられた。4年後のドイツ大会では、ベスト4以上を目指して欲しいし、全力で応援する。

わが民族の代表チームだ
李寅宰さん(82)=東京、朝鮮総連元文化局長

 このまえの参観団で61年ぶりに韓国を訪れて米国戦を見てきた。本当は決勝戦でブラジルと当たってもなんら不思議ではなかった。この間、韓国が上位に進むたびに、総連同胞や仲のいい民団の友人と電話で喜びを分かち合った。韓国、朝鮮の区別なく、わが民族を代表して闘っているチームだと思って応援した。

どん欲さが韓日の違い
玄月さん(37)=大阪、作家=

 韓国戦のTV放送は全部見た。韓国は残り時間が少なくなっても最後までどん欲に点を取りに行った。ここが日本と違うところで、改めて両チームの闘いぶりを振り返ってみると、日本と韓国の選手には温度差があったように思う。4年後のドイツ大会でもいまの気持ちを維持して頑張ってほしい。

アジアの力世界に示した
崔洋一さん(53)=東京、映画監督=

 チケット問題などが取りざたされたが、共同開催をほぼ成功裡に終えられた。これがなにより大きい。特に韓国の快進撃、これには感動した。試合内容もよかった。韓国と日本がこれだけの力、実力を世界に誇示できたことで、アジア全体を軽くみていた欧州サッカー界の認識も変わるだろう。両国とも欧州に拮抗する実力を身につけていってほしい。

(2002.07.03 民団新聞)



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