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愛媛県教委に不採択を申し入れる民団代表 |
中学歴史教科書
継続、再検討要求へ
【愛媛】愛媛県教育委員会(井関和彦委員長)が来春開校する中高一貫教育型の県立中学校3校(生徒定員480人)で使用する歴史教科書として扶桑社版を採択したことに対し、民団中央本部(金宰淑団長)は採択当日の15日、鄭夢周文教局長名で驚きと遺憾の意を盛り込んだ「声明」を発表した。
「声明」は「市民レベルの韓日・日韓友好親善活動に力を注いできた民団は、今回の愛媛県教委の審議結果について失望と憤懣やるかたない思いだ。在日韓国人保護者の対場からも再検討を強く望む」としている。
さらに民団中央本部は翌16日、県教委に電話をかけ、「扶桑社版教科書の採択に賛成した教育委員一人ひとりの見解を知りたい」と申し入れ、その方法として意見交換会の実現、ないしは公開質問状への回答という形が考えられると迫った。これに対して県教委としては「一切、応じられない」(西山修一教育総務課長の話)と、いまのところ拒否の構え。
民団としては今後とも県教委との話し合いを継続していきたい考えだ。このため民団愛媛県本部(金容徳団長)は16日、県教委を訪れ、各教育委員が扶桑社版教科書採択のための判断材料としたとされる「教科用図書選定資料」を公開するよう正式に申し入れた。
同資料によれば、扶桑社版教科書に対する中学校校長らの評価は、検定合格8社中2番目だったとされる。このため民団は「資料の評価を無視した採択では」との疑念を深めており、扶桑社版教科書の採択を決めた定例委員会でのやりとりを記録した議事録の公開も同時に求めている。
一般の公立中学で扶桑社版歴史教科書を採択したのは、今回が初めて。
(2002.08.21 民団新聞)
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