民団新聞 MINDAN
在日本大韓民国民団 民団新聞バックナンバー
「拉致」認め謝罪

金国防委員長初の北韓・日本首脳会談で



国交正常化交渉来月中に再開へ

 北韓の金正日国防委員長は、17日の平壌での小泉純一郎日本首相との初の「朝日首脳会談」で、日本人拉致問題について北韓の特殊機関による犯行だと認め、日本政府が認定した8件11人の拉致被害者と新たに判明した被害者のうち、横田めぐみさん、有本恵子さん、田口八重子さん(大韓航空機爆破事件の犯人・金賢姫の日本語教師)ら8人が死亡、4人が生存していることなどを伝えた。

 金国防委員長は謝罪し、再発防止を約束したほか、ミサイル発射の無期限凍結も表明した。これを受けて、小泉首相と金国防委員長は国交正常化交渉を10月中に再開することで合意し、会談後に「朝日平壌共同宣言」に署名した。

 同宣言によると、「日本側は過去の植民地支配が朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実について痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明」し、「国交正常化後の無償資金協力などの経済協力の実施」を約束、具体的な規模と内容については正常化交渉の中で協議することで合意した。

 また、北韓の核開発、ミサイルなどの安全保障上の問題については「関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図る必要性」を確認した。北韓はこの宣言の精神に従ってミサイル発射実験のモラトリアムを2003年以降も延長していく意向を表明した。

 日本側の説明によると金国防委員長は首脳会談の席で、拉致問題について「この背景として数10年にわたる(日朝)敵対関係がある。70〜80年代初めまで、一部の妄動主義者と英雄主義者によるもので、私が承知してからは関連して責任ある人々は処罰された。これからは絶対にしない。遺憾なことだった。率直におわびしたい」と謝罪した。拉致が起きた理由については@特殊機関が日本語の学習のためにやったA日本人の身分をかたって南(韓国)に潜入する目的だった、と説明した。

(2002.09.18 民団新聞)



この号のインデックスページへBackNumberインデックスページへ


民団に対するお問い合わせはこちらへ