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金剛山観光会談は決裂

北韓・政府の支払い保障要求



 9月10日から12日まで北韓・金剛山地域の金剛山旅館で行われた「金剛山観光活性化のための第2回南北当局会談」が合意文採択に至らず、決裂した。第3回会談の日程も未合意である。

 韓国側首席代表の趙明均統一部交流協力局長は「合意文採択には至らなかったが、金剛山観光の活性化に向けた具体的な実践方策については深みのある話し合いが行われた。双方が相手側の立場を十分理解したので会談の再開を期待する」と述べた。

 北韓側は、12日の会談で韓国政府に、昨年2月から5月までの3カ月間に金剛山観光の事業者である現代牙山が本来ならば北韓側に支払うべきであった観光代金2400万jの支給と今後、金剛山事業全般に対する保証を要求。観光事業で問題が発生した時、韓国当局の責任下で解決できるように、「南北当局が金剛山観光の活性化のために、各分野で包括的に協力することにした」という文言を盛り込むよう、強く求めた。

 これに対し、韓国側は、金剛山観光事業は「民間レベルの事業であるため、政府支援には限界があり、観光代価は、現代牙山と北韓のアジア太平洋平和委員会が解決すべき問題だ」として対立した。

 今回の会談で北韓側は、終始「現代牙山の財政能力には限界があるので観光代価については南側政府が責任を負うべきだ」と要求。「非武装地帯(DMZ)を管轄する軍部を説得するためには観光代価の支払保証が先行しなければならぬ」とまで主張したという。

 会談後、政府関係者は「北韓が今回、金剛山観光に対するわが方の保証を要求するとしても南側当局の誠意を促がす程度にして、陸路観光などで合意すると予想した」と説明、「金剛山観光事業にわが政府を全面的に介入させようとする北韓の立場には応じられない」と強調した。

 韓国政府の傘下機関である韓国観光公社が昨年6月、金剛山観光事業に加わり450億ウォンを支援した時も、韓国国内では「民間レベルで行われている事業に政府が資金提供するのは政経分離の経済原則にも反する」との批判が、韓国内では強かった。韓国政府は、その後も金剛山観光事業の回生に向けて学生・南北離散家族に観光補助金(20万〜30万ウォン)を支給している。今回の会談の決裂により、当初11月末に東海線の臨時道路1・5`(南側区間1・2`、北側区間0・3`)が連結され次第、実施される見通しだった金剛山陸路観光と現代牙山が30年間独占事業権を持っている金剛山地域の国際観光特別区指定は不透明になった。

(2002.09.18 民団新聞)



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