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大統領候補の対北韓政策

「軍事問題」を重要視



 民主党の盧武鉉大統領候補と大統領選挙(12月19日)出馬用意を表明している無所属の鄭夢準議員は、10日にソウルで開かれた「アジア・欧州プレスフォーラム2002」での大統領選挙候補政策懇談会で、初めて対北韓政策の基調を明らかにした。ハンナラ党の李会昌大統領候補は、これより先の8月21日に諮問教授グループ主管セミナーで対北韓政策構想を提示している。


平和構築後に経済支援拡大 李会昌
「太陽政策」を継承して発展 盧武鉉
事実上の経済共同体形成へ 鄭夢準

 盧武鉉候補は「東北アジアの平和と繁栄のための新たな秩序」と題した資料をもとに「対北政策5原則」と「韓半島平和と共同繁栄6大課題」を提示した。

 「5原則」は信頼優先主義国民と共に行う政策軍事と経済安保を共に考慮する包括的安保投資としての経済協力当事者主導の国際協力。「6大課題」は南北和解協力の制度化北韓の大量破壊兵器問題解決北・米、北・日関係正常化のための外交的協力北韓の改革・開放支援韓半島平和体制の構築E東北アジア経済および平和協力体の創設である。

 盧候補は「南北問題をみる視角を『韓半島』から『東北アジア』に拡張し、『和解と協力』を『平和と共同繁栄』へと一段階格上げすることが、現政府の対北政策を発展させる方案だ」と説明。金大中大統領の提唱した太陽政策(包容政策)の「継承・補完」を強調した。

 「大統領になれば、北韓が核査察など大量破壊兵器問題で譲歩する代わりに国際機構と南韓および米・日が対北支援を行う一括妥結方式の実現に努力する」と表明。「国際的に北韓版『マ―シャルプラン』を推進するのも良い案だ。北韓の改革・開放を支援するため『南北経済協力と北韓開発連係5カ年計画』の青写真を提示する」と述べた。

 さらに「計算的に与え受け取るという相互主義では半世紀にわたる南北間の不信を決して解消できない。相手を認定して信頼を育んでいく信頼優先主義をとりたい」と力説した。

 「金正日国防委員長と首脳会談を行うならばどのような問題を最優先的に取り上げるか」との質問に盧候補は「できるだけ早期に会うことが望ましい。最も易しい問題からまず接近し、難しい問題は漸次解決していくというのが現政府の対北政策の方針だが、最も重要な問題が解決されなければすべての問題が解決されない。急がれるのは、危険要素を除去することだ」と語った。

 鄭夢準議員は、17日の自身の大統領選挙出馬宣言と関連し「私の夢は腐敗のないきれいな政府、地域感情を克服しての国民統合、南北統一などの実現である」と説明し、韓半島平和構想を明らかにした。

 鄭議員は「南北関係に新たな状況が展開しているので明確な政策目標と優先順位を設定しなければならない」と主張、「対北6原則」を提示した。

 「対北6原則」は韓半島の平和維持推進緊張緩和と軍縮を通じた平和体制構築経済協力を通じた事実上の経済共同体の形成食糧その他不足物資支援を通じた人道的目標の追求経済その他分野で北韓の国際社会参加実現中長期的観点で民族の再統一追求。

 「執権した場合、現政府の太陽政策を継承するのか修正するのか」との質問に、鄭議員は「太陽政策はこの間国民的合意不足と国内政治利用との批判を受けてきた。包容政策は外交政策の基本としてどの国もとっており、選択の余地がない。どのような形でおこなうのか、現在より拡大するのかしないのかの問題だ」と表明。

 さらに「われわれの能力の範囲内で、国民的支持を得れば対北人道的次元で支援を拡大することもできるだろう。軍事的緊張緩和や戦争(6・25韓国戦争)行方不明者送還問題などは支援と並行して別途に深く論議可能だろう」と付け加えた。

 最大野党であるハンナラ党の李会昌候補の対北韓政策構想については「民団新聞」8月28日付け参照を。

(2002.09.18 民団新聞)



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