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ロシア、積極推進へ

TKRとTSRの連結



韓国に鉄道相会談を提案
南北露3者閣僚級協議も

 ロシアは韓半島縦断鉄道(TKR)の再連結推進に強い関心を表明、TKRとシベリア横断鉄道(TSR)との連結に大きな期待を寄せている。

 シュコフ外務次官は9月30日、ソウルでの記者会見で、TKRとTSRの連結のために南北(韓国、北韓)とロシアによる3者間の長官(閣僚)級協議の早期開催を呼びかけた。同次官は、またロシア側のTKR・TSR連結に必要な北韓鉄道の現代化と韓国の対ロシア経済協力借款との相殺方式に韓国側が同意するならば「悪くはないだろう」と述べた。

 さらに、TKR・TSR連結には莫大な資金が必要なので外資の誘致が不可欠だと指摘し、「国際コンソーシアムの構成も有益だ」と強調。「欧州、日本側人士と会い国際コンソーシアム構成について論議したことがある。国際コンソーシアム構成は将来のことであるが、優先的に南北とロシアの3者が集まり、鉄道情報を共有し、共同で解決点を模索することが重要だ」と3者間協議開始を促した。

 ロシアは、アジア最大のコンテナ基地を持つ韓国釜山からモスクワを経て欧州までTSRを連結し、アジア・欧州間の物流回廊「ユーラシア鉄道」を実現することで、ウラジオストクを中心とするロシア極東地域開発の起爆剤としたいとしている。9月23日にはロシアのパテエフ鉄道長官がTKR・TSR連結のための鉄道経済長官会談を提案している。

 プーチン大統領も、9月18日の南北を結ぶ鉄道連結工事の南北同時着工式に際し、南北両首脳に歓迎メッセージを送り、「南北鉄道とシベリア鉄道の早期連結により韓半島から欧州に至る輸送路が開設されるよう、ロシアはできる限り協力する用意がある」と表明。翌19日にはヤクニン鉄道第一次官が「バイカル湖・アムール鉄道(BAM)完工に拍車を加え、韓国と日本の貨物輸送も担当したい」と力説。さらに20日にはロシア鉄道省が「南北韓鉄道はもちろんTKR・TSR連結事業に参加する準備ができている」と表明するなど、連日TKR・TSR連結に強い関心と期待を明らかにしている。

 だが、TKR・TSR連結実現には難関が少なくない。北韓の鉄道状況は劣悪で、施設は老朽化、電化路線でも列車は30`前後で徐行をせざるを得ない状態と伝えられている。北韓内の鉄道現代化には約30億jが必要とロシア側は見ている。

(2002.10.02 民団新聞)



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