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2002W杯韓国組織委 新委員長に朴世直氏

ソウル五輪に続き2度目の大役
経験力とパイプの強さで選出


朴世直委員長

 韓日共催サッカーの2002年ワールドカップ(W杯)韓国側組織委員会は5月21日、ソウル市内で執行委員会と総会を開き、李東燦委員長の後任に、与党・自由民主連合副総裁で国会議員の朴世直氏(64)を選出した。

 朴氏は1988年のソウル五輪でも組織委員長を務め、2度目の大役となった。指摘されているサッカー競技場の建設など、財政難の中で大会準備をいかに進めていくかが課題だ。

 李・前委員長はメイン会場となるソウルの競技場新築問題をめぐって政府と組織委が一時対立し、政府に抗議する形で辞意を明らかにしていた。ソウルの専用競技場はその後、組織委の当初案通り、新築されることが決まった。

 朴氏選定の理由としてソウル五輪を成功的に行った経験力と国際スポーツ界とのパイプの強さなど。

 政府関係者も「IMF時代に合うW杯組織委員長は、各種収益事業を極大化し、黒字大会にすることができる人物が必要」と朴氏を内定していた。サッカーに格別の関心を持つ朴泰俊自民連総裁の積極的な推薦があったと言われる。

 朴氏は1933年慶尚北道亀尾出身。陸士12期、ソウル大文理学部を卒業して、80年にソウル大行政大学院を修了した後、米国・カリフォルニア大学院過程を終えた。全斗換元大統領下で総務部長官を歴任し、86年に体育部長官、同年、ソウル五輪・組織委員長に就き、体育界との関係を広げていった。

 ソウル五輪の運営を統括し万全の態勢で大成功させた。大会後、安全企画部長、92年の第14代国会議員選挙で民自党所属で亀尾地域から当選した。4月3日、自民連に入党した。

 ソウル五輪では在日同胞が「後援活動」の一環として540億ウオン(当時のレートで日貨約90億円)の募金を集めたが、組織委員長だったこともあり在日同胞とのつながりは深い。

 朴委員長は「国家の命運をかけて必ず成功させる。現在の経済難の時期だからこそ国民の自負心を高め、韓国の経済を跳躍させる試金石にしたい。そのためにも政府と地方自治体はもちろん各界各層の積極的な協力が必要だ」と抱負を述べている。

(1998.5.27 民団新聞)



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