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東京コリアンアカデミーが開講

同胞の生涯学習の場に


6日にスタートした東京コリアン・アカデミーは
各教室とも熱気に包まれた

 韓国語や韓国の歴史・文化をはじめ、在日同胞の歴史と課題などを体系的に学ぶ、講座制「民族大学」の常設教室、「東京コリアンアカデミー」が六日、東京新宿の東京韓国学校に開講した。「韓国近代史」、「一般教養」、「韓国語」の三つのジャンルに首都圏の同胞や日本市民ら百五十人が受講申請した。七月二十五日までの毎週土曜日、(韓国語は十月二十一日までの水、土曜日)、「民族教育の殿堂」でもある、東京韓国学校の教室は同胞たちの学びの場となる。


韓国近代史・一般教養・韓国語
各教室、学ぶ熱気あふれ

 民族大学は在日同胞の民族的社会教育をめざし九三年に大阪教室を皮切りにスタートした。その後、東京、名古屋、京都、広島、福岡など大都市をはじめ宮城、北海道、岐阜など全国十七都市に広がった。

 全国の先陣を切った大阪では四百余人、東京では四百五十人、愛知では三百三十人と各地ともに定員を大幅に上回る受講者が集まり、学ぶ熱気に包まれた。これまでの修了生は三千五百人を数えている。

 東京コリアンアカデミーはこのような「同胞の学び語り合う場」をいつでも提供しようと、常設したもので、今回は前期で、秋に後期が開講される。

 講師陣が日本社会で活躍している在日同胞学者、文化人、教授、ジャーナリスト、市民運動活動家によって構成されているのも特徴。

 開講前日までに受けつけた受講申請は百三十人あったが、韓国語講座が最も人気が高く、四十九人(初級三十九人、中級十人)を数え、韓国近代史には四十三人、一般教養に三十八人が申請している。また、開講当日に申請した人も多く、合わせて百五十余人が受けている。

 午後五時半から行われた開講式で、民団東京本部の夫昇培団長は「同胞の学ぶ熱意に感動している。私たちは新しい課題を求め、新たな意欲を持ちながら未来に向かうべきでしょう」と話し、「そのためにも歴史や同胞社会の基礎を学ぶことが大切。学びは楽しいことで、知ることは力になる」と強調した。

 東京韓国学校の孫相テツ校長も「在日同胞の学びの場として、わが校舎を活用していただき大変光栄。日本社会で共生社会をめざす意味でも自らの問題を学び、深い知識を養うことが必要だ」と受講生を激励した。

 今後の日程についての説明が行われた後、受講生はさっそく各教室で第一回目の講座を受けた。

 韓国近代史は滋賀県立大の姜徳相教授による「江華条約の意味を考える」と「十九世紀の東アジア」。姜教授は「征韓論」「脱亜論」「大東亜合邦論」などや、甲午農民戦争、韓日関係について解説した。

 一般教養では立教大の李鍾元教授が「韓国政府の在日政策」について、過去、現在の変遷と新政府の政策を説明した。

 また、最も人気の高い韓国語講座は、初級の三十九人を二クラスに分け、三クラスを編成。金東俊・神田外語大名誉教授、金仁和・筑波大文芸言語学科講師、郭末任・お茶の水女子大学院比較文化研究員を講師に二時間の講座が始まった。

 講座の冒頭、金教授は「言語を習得するには継続が大切。毎日五分でも十分でも使うことが上達のこつ。当講座ではみなさんが『話せる韓国語』を身につけるよう楽しく進めたい」と話した。


受講生を随時募集
1講座だけの受講もOK

 東京コリアンアカデミーでは、「韓国近代史」と「一般教養」に限って、引き続き受講申請を受けつけるほか、一講座だけの受講も認めることにした。幅広い層の受講が可能になった。

 これは「日程の関係上、全講座受講が困難なため、一講座ごとの受講はできないか」との問い合わせが殺到したことにこたえたもので、首都圏だけでなく、愛知や関西地方の同胞からの要望に配慮した。

 受講料は一講座当たり二千円。事前に連絡が必要。03(3454)4615の東京コリアンアカデミー事務局まで。

(1998.6.10 民団新聞)



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